11: 『イラン人は面白すぎる!』 (光文社新書) [新書]
エマミ・シュン・サラミ
2012/4/17
・月収30万のスーパー物乞い、
・羊飼い専門学校、ナン専門学校、
・二十歳の男性の9割は童貞、
・イランのビーチは男女別……etc.
危険なイメージを持たれがちなイラン人。
しかし、実はこんなに陽気で面白い人たちなのだ!
吉本のイラン人芸人が珍エピソード満載でお送りする、
笑って学べる新感覚イスラム本。
◎内容紹介
日本で暮らすイラン人としていつも悲しく思うのは、
イスラムに対する日本人の過剰な拒絶反応だ。
過激な反政府デモや核開発疑惑などから、イラン=危険なテロリスト国家というイメージが染みついてしまっている。
でも、イラン人はみんな日本が大好き。
そんな「片想い」を少しでも「両想い」に近づけたい、本書はそんなキューピッド的発想から生まれた。
陽気なイラン人たちが織りなす数々の珍エピソードを通して、本当のイスラム文化を知っていただけるはずだ。
◎目次
第1章 陽気なイスラム教
第2章 豚肉とラマダン
第3章 すべてはバザールと食卓にある
第4章 中東の恋愛不毛地帯
第5章 イランの罪と罰
第6章 学校という名の階層社会
第7章 アラブの中のイラン
エマミ・シュン・サラミ
1980年イラン生まれ。東海大学中退。首都テヘランで幼少期を過ごした後、父親の都合により10歳で来日。北海道帯広市で日本での生活をスタートさせる。吉本興業のタレント養成所・NSC東京校第8期生。2004年「デスペラード」を結成。漫才コンビとしてライブやテレビなどで活動の場を広げている。
現在、TBSラジオ「荒川強啓デイ・キャッチ! 」内「メキキの聞き耳」コーナーにレギュラー出演中。
エマミ・シュン・サラミ さんの『イラン人は面白すぎる!』を読みながら、笑い転げる。
納得する部分も多い。また多少の相違部分はユーモア!ありあり!と手をたたく。
最高月収30万のスーパー物乞い、14万はざらにいらっしゃるらしい。
金額が少ないと十年はやいと物乞いからの説教が始まると言うからすごい。
道理で小銭や食べ物を渡そうとした場合、ありえないほどの剣幕でペルシャ語をまくしたててきたはずだ。
ただ、わたくしには言葉(内容)が全くわからないので、札をめくるボディーランゲージしかわからなかったのは幸運だった(笑)
バザールで 素晴らしい優雅な身なりの物乞いの母娘を見た。洗濯こそすれ、旅行者のわたくしの方がよっぽどこっぱずかしい一ヶ月間着通しのよれれれのマントウ。もちろんお金は渡さず美しい物乞い親子の前を足早にとりすぎた(笑)
本書では物乞いに施す場合、上等な服に着替えて行ったと言う。小汚い身なりの者からは「お前からはもらえない」と説教がおっぱじまるという。では、旅行者のわたくしは? 多くの御物乞いの方達に金品を貰っていただいていたことになる(笑)
イランの公務員の給料が5、6万の時代に14万稼ぐ物乞いって、素晴らしい。
物乞いは皆に施しの機会を与え、皆は幸福になる。
イラン人の感覚もまたユニーク。
身なりの良い物乞いと貧しい感じの物乞い、太った物乞いと痩せた物乞いでは、いずれも前者に施すと言う。
身なりの良い物乞いや太った物乞いの方が貧しい感じの物乞いや痩せた物乞いよりも生活費がかかるからという考えらしい。
物乞いひとつをとっても日本人のわたくしにはあまりにも楽しいイラン事情。
『イラン人は面白すぎる!』は面白すぎる!
何より嬉しかったのはエマミ・シュン・サラミさんのお人柄にふれられたこと。この方は日本に長く住まれている裕福な育ちの方。だが、イラン旅行を思い出すとこういう方が多くいらっしゃったなと親しみをもって一気に読んだ。