恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』 80 三十四丁裏 三十五丁表 と、『伊勢物語』岩波古典文学大系9
富田高至 編者
和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年
下 80 三十四丁裏 三十五丁表
三十四丁表
◯をかし、おとろへたる家に、葺の塔(ママ)出たる有けり
しハす晦日に、その日雨そろ/\ふるに、人の許へ
ほりて、まいらすとて、
三十五丁表
ぬれつゝそ しいてほりつる年のうちに
春ハ冨貴に ならせられてよ
『仁勢物語』和泉書院影印業刊
ぬれつゝそ しいてほりつる年のうちに
春ハ冨貴に ならせられてよ
『伊勢物語』岩波古典文学大系9より写す
濡れつゝぞ しゐておりつる年の内に
春は行くかも あらじと思へば
葺の塔
蕗の薹(ふきのとう)
葺
冨貴(掛詞)