富田高至 編者
和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年
下 79 三十四丁裏
三十四丁裏
◯をかし、宇治の上林、馬持ちけり、馬やより人/″\うち
でけり、おほきなるあなへ落て、死にけれハ、翁の読(ママ)める、
わか門に 千尋あるあなを掘り連れハ
夜昼誰か はまりたるへき
これハ酒粕に酔て、「人の中禾」となんいひける、豈中
禾にて、あらさらんや、
『仁勢物語』和泉書院影印業刊
わか門に 千尋あるあなを掘り連れハ
夜昼誰か はまりたるへき
『伊勢物語』岩波古典文学大系9より写す
わが門に 千尋ある影をうゑ連れば
夏冬たれか 隠さざるへき
読(ママ)める、
詠める
『仁勢物語』和泉書院影印業刊 では、度々次の様に表記されている。
読める と表記されている。
千尋(ちひろ)(せんじん ちいろ(中世))
ちひろ。
極めて広いこと。
千尋(ちひろ)
鷹1尋の千倍。
転じて、非常に長いこと。
また、きわめて深いこと。
「千尋の海」「千尋の谷底」
[補説]中世、近世には「ちいろ」とも表記した。
中禾 (ちゅうよう)
病気などで寿命を全うしないで倒れる意味、
豈中禾 (あにちゅうやく)
豈
豈(あに)
《あとに反語を伴って》 《副》どうして。
「―図(はか)らんや」(意外なことには)
豈(あに)副詞
①〔下に打消の語を伴って〕決して。少しも。
出典日本書紀 仁徳 「あに良くもあらず」
[訳] 決して良くはない。
②〔下に反語表現を伴って〕どうして。なんで。
出典万葉集 三四五 「価(あたひ)なき宝といふとも一坏(ひとつき)の濁れる酒にあに益(ま)さめやも」
[訳] 値段がつけられないほどに貴重な宝だといっても、一杯の濁り酒にどうしてまさろうか、いや、まさりはしない。
参考中古以降は漢文訓読体にもっぱら用いられ、ほとんどが②の用法となった。
◯をかし、宇治の上林、馬持ちけり、馬やより人/″\うち
でけり、おほきなるあなへ落て、死にけれハ、翁の読(ママ)める、
わか門に 千尋あるあなを掘り連れハ
夜昼誰か はまりたるへき
これハ酒粕に酔て、「人の中禾」となんいひける、豈中
禾にて、あらさらんや、
→あはは^^面白すぎでしょうなんちゃって書いちゃったりして^^vははは ははは