源氏物語 【『源氏物語』光源氏と、『伊勢物語』在原業平 4】鈴木日出夫
『源氏物語 一』新日本古典文学大系日本古典文学大系19より
平安朝文化では、次の二名が恋の二大英雄であった。
『源氏物語』光源氏
『伊勢物語』在原業平
在原業平(実在の人物)
天長二年(825)
業平は恵まれたと言う酷の生涯を送ってない。
しかし、『伊勢物語』では、類希なき非凡の人生を送った男として、虚構化された。
在原業平や光源氏は恋の主人公である。
いずれも、行状の数々は、半世俗的。
政略的結婚を一般的としがちな社会の秩序に対して、反逆していくかのようだ。
高貴な血を受け継ぎながら、斜に構えて生きていくかのようだ。
体制からはみ出しがちな二人は、物語の主人公として、理想的。
在原業平も光源氏も、世俗的に収まりきれない形で、大勢の女たちと感動をもって関わりあう。
光源氏
色好み。
光源氏が人生を生かされていくのも、物語が長編物語特有の動態的な構造を構え、統一ある持続的な世界を形成するため。(普遍的な意味での現代史を出現しているから)