「人情噺文七元結」舞踊「道行故郷の初雪」2020年2月歌舞伎座 「廓文章 吉田屋」昭和58 「廓文章 吉田屋」昭和62
テレビで「人情噺文七元結」舞踊「道行故郷の初雪」2020年2月歌舞伎座 「廓文章 吉田屋」昭和58年(十三代目 仁左衛門) 「廓文章 吉田屋」昭和62年(同)を見た。
「人情噺文七元結」は菊五郎が得意とするところの江戸の粋が随所随所に表現され、小気味が良い。中村雀右衛門の言い回しの普段より長屋風の勢いで、見入ってしまう^^人情咄をじっくりと味合わせてくださり、楽しんで見ることができた。
舞踊「道行故郷の初雪」は中村梅玉、片岡秀太郎。新口村の孫右衛門の家の前で、万歳がまったり、お二方の台詞があったり見応えのある舞台。秀太郎のまばゆいまでの美しさは、どう見ても十代の若き女。仕草や表情はどう見ても御年云々には見えず、若い可愛げのある女性である。途中もそうだが最後のキメの形の美しいことは、浮世絵に描かれた女性。芝居の筋書きを組んでの、片岡秀太郎の涙をのみ込んでの仕草や表情は、まさに迫真の演技であった。
十三世仁左衛門はんの「廓文章 吉田屋」、夕霧は十四世仁左衛門(当時考夫)。懐かしや有難やのお舞台。現在の十四世の仁左衛門丈や藤十郎丈の「吉田屋」とはまた違い、それぞれの面白さがあるなと感じた。だから芝居は面白い。高校生の頃から歌舞伎を見始めたので、十三世仁左衛門はんのお舞台を見る機会にも恵まれていた。幸せな時代に、歌舞伎を見ることができたと思うが、後は後で若き役者が続いているのであろうから、自己満足に過ぎない。江戸時代から、立ち役がいないだのとこう言ったことはよく言われている。「今の若者は云々」もまた然り。今の若者もよく考え、行動している方も多い。時代は繰り返されている。
「仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場」十三世仁左衛門はんの一つ一つの決めのアクセントがすごい。手のアクセントや言い回しが癖になる。最後の、作り阿呆も魅力的。十四世も良いが、十三世も良い。見ることができて良かった。
2020年2月歌舞伎座の公演から、「人情噺文七元結」と舞踊「道行故郷の初雪」 出演は尾上菊五郎、中村梅玉、片岡秀太郎ほか。 【出演】尾上菊五郎,市川團蔵,中村雀右衛門,中村莟玉,寺嶋眞秀,中村時蔵,中村梅枝,片岡亀蔵,市川左團次,中村梅玉,尾上松緑,片岡秀太郎,清元延寿太夫,清元栄吉,十三世 片岡仁左衛門,十三世 片岡我童,十七世 市村羽左衛門,七世 尾上梅幸,二世 助高屋小伝次,【司会】中川緑, 「人情噺文七元結」
左官 長兵衛…尾上菊五郎、角海老手代 藤助…市川團蔵、長兵衛女房 お兼…中村雀右衛門、長兵衛娘 お久…中村莟玉、小じょく お豆…寺嶋眞秀、角海老女房 お駒…中村時蔵、和泉屋手代 文七…中村梅枝、家主 甚八…片岡亀蔵、和泉屋清兵衛…市川左團次、鳶頭 伊兵衛…中村梅玉
(1時間15分00秒)
~歌舞伎座~
「道行故郷の初雪」
万才 松太夫…尾上松緑、傾城 梅川…片岡秀太郎、浄瑠璃…清元延寿太夫、三味線…清元栄吉
(25分00秒)
~歌舞伎座~
「廓文章 吉田屋」
藤屋伊左衛門…十三世 片岡仁左衛門、扇屋 夕霧…十三世 片岡我童
(6分00秒)
~京都四條南座~
「仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場」
寺岡平右衛門…十七世 市村羽左衛門、お軽…七世 尾上梅幸、斧九太夫…二世 助高屋小伝次
(8分00秒)
~国立劇場~