『人間万事金世中』(にんげんばんじかねのよのなか)
河竹黙阿弥作。
明治12年(1879年)2月に東京新富座にて初演。
本編尺:82分
製作年:2003年
出演:中村富十郎 市川左團次 中村扇雀 中村信二郎(現・錦之助) 片岡孝太郎 中村玉太郎(現・松江) 中村隼人 中村吉之丞 松本錦吾 片岡亀蔵 片岡十蔵 尾上松助 坂東吉弥 中村梅玉
(イラン)
まげを切った散切(ざんぎり)頭の人物が登場する舞台を散切物とも呼ぶ。
明治物だが、口調は歌舞伎の基本を踏んでおられる。
「開化」における「金の世の中」を主題にして、それまでの江戸歌舞伎にはない新しい「現代劇」を黙阿弥は見せようとしたともいえようと記されているが、流暢に流れる歌舞伎味タップ値の口調などを観ても、『人間万事金世中』はしっかり基本を習得した歌舞伎役者が演じた歌舞伎そのものだという事ができる。
遺言を読む部分では
「勧進帳みたいに書いてない事を言うている訳ではない…」
など、随所随所に笑いを誘うテクニックがちりばめられている。
筋書きはウィキペディアに詳しくかかてれいる。
私は『人間万事金世中』は始めてみた。
河竹黙阿弥賀書かれ、構成がしっかりしている。なおかつ今回のこの舞台は素晴らしい役者さんぞろいだ。
それぞれの役者さん賀それぞれの個性を面に出して一つの舞台を描き上げられていた。
先日亡くなられた中村吉之丞さんの意地悪で金の亡者のおば役ででておられた。
言い草(いい回し)台詞表情声色何もかもが憎々しげで、品に欠く。
中村吉之丞さんはわたくしにとっては好きな役者さんの一人で、いつもの縁起とは変えて芝居をリアルに演じられる吉之丞さんに魅了された。また吉之丞さん賀はなされるたびに、ずんずんと芝居は重厚さを増す。
芝居のラストでぴりりと閉める梅玉さん、
本芝居もかなり面白いなと感じた。
おわりん