京都大学総合博物館(きょうとだいがくそうごうはくぶつかん)
3013年7月17日 京都 祇園祭 「南観音山」
無修正 縮小のみ
先日、京都大学総合博物館へ行く。
ここは今回で二度目。
前回は平常展寺では「文化史」、そして特別展『化学技術X線の謎』を中心に見たので、今回は心残りだった「自然史」を中心に楽しませて頂いた。
猿の研究、ニホンカモシカ、ツキノワグマなどの剥製と頭部の骨。そして何よりも心ときめいたのが、昆虫。
白蟻は実に詳しく解説され、同種類の白蟻だけでもおびただしく展示される。
10匹以上の標本が虫ピンにさされているものも多い。最後の3匹ほどは横からピンが刺され、真横さえ楽しめる。
ガラスケースに被いかぶさり、小さな昆虫を、まじかに見る。
同種の全く同じ大きさ名前の昆虫でも、顔や体つきが違う事を初めて知る。
笑っている、嘆いている、無表情を装う…犬や猫、いや人間と同様で、表情に色彩がある。
心の中で昆虫を大きく育て上げると、恐竜のダイナミックさにも劣らない。
トカゲアリなどは、もはやわたくしの中ではアリではない。首筋辺りにギザギザを持ち、厳つい。怖い。
こんなアリが人間並の大きさに巨大化し、かよわいわたくしを襲うなどといった馬鹿げたイメージを膨らませてみる。
恐ろしく心細く悲鳴をあげながら、岩陰に隠れ、逃げ惑うわたくし。
ところが、アリの顔はカワイイ。可愛いが、ありの口は締まり目は鋭い。いかにも知性的なお顔立ち。
わたくしのような愚か者には太刀打ち出来ないと思い知らされ、片身の狭い思いをしながら、とぼとぼとその場を去る。
展示物の中には目を見はる いろいろな虫がいた。
形の面白いもの、色の美しいもの、珍しいだろうと思われる昆虫
ナナフシの大きさに驚く。驚きながら、節を数える。
7 上手くいった
6 アカン
6 ×
6 ×
7 …7に数えられる場合もある事に喜びを覚える。
疑似蝶
ここでも遊ぶ。
えらく面白い。
バイオリンカマキリ
ちゅるりるりーん
こちらは 木村泰子さんの世界だ。
童心にかえり、楽しくて仕方が無い。
黄金虫がいた
大きいもの、ちっちゃなもの
いろんな黄金虫がいた
そしてど真ん中に、誇らし気に模様の入った小さな真金の黄金虫がいた。
最後の展示に辿り着く前に何かしらん胸騒ぎがした。
予感的中。
そこには、ごつごつしたアコーデオン状の胴体の憎らし気な昆虫がいた
その名はゴキブリ
黒いのや茶色いの、中には「ぎょえーー!」と声が出そうな、巨大なゴキブリもいた。
茶色で大きいやつがいたにはいたが、屋久島のキャンプ場で見たチャバネゴキブリという名のネームプレートは無かった。
チャバネゴキブリは正式名ではなかった事を思い知らされ、寂しい気持ちに陥る。
ゴキブリにしてやられた…。
昆虫を自分の中で拡大して見ていると、昆虫をテーマにされた訳でもあるまいに、いくつかの安部公房の小説を思い浮かべる。
カフカを思い、わたくしは深緑色の草むらに放たれる。
2013年7月
京都大学総合博物館
京都市左京区吉田本町
開館時間 9:30〜16:30、休館日は毎週月曜、火曜、年末年始。