『年中行事絵巻』56 【巻八 騎射】 3 中央公論社 小松茂実 日本絵巻大成
『年中行事絵巻』【巻八 騎射】
左上 十五紙〜十九紙
一条大宮
おおよそ、左近の馬場に似る。
馬場本
杉並木をへて、鳥居と小さな祠。
見世者の群衆
埒(らち)にぶら下がる子
埒とは
「埒」は、「かこい」や「しきり」、または「範囲」という意味です。
「けじめ」という意味合いもある。
埒とは
馬場の周りの囲い。
物事の区切りやけじめ
空の方を仰ぐ人々
頭に荷物を乗せる物売りの女
老若男女の姿が生き生きと描かれる。
表情が面白い
右下 十九紙〜二十二紙
右近の大殿屋
階下のあたり
胡床に板が立てかけられているのは、射手の交名(名簿)の札
胡床(こしょう)とは
中国北方の胡国から伝えられたという、一人用の腰掛け。戸外の行事の席や休息のために用いた。床几 (しょうぎ) 。あぐら。
射手の交名(名簿)の札の前に座るのは、出番の整理に当たる府生
府生とは(ふしょう)とは (goo辞典)
六衛府 (ろくえふ) ・検非違使 (けびいし) 庁などの下級職員。ふせい。ふそう。
的が置かれているが、一部分は切り取られている。
(出入りのため)
手前の木の上、埒野芝に的が置かれている。
真ん中の一人が手に持つのは、弊
弊によって、的のあたりを告げる。
弊とは (漢字ペディア)
ここで使われている【弊】は、竹の先に風にたなびく布(ほん絵巻物の二十紙でも、風になびかせている)
①よくない。害になる。「弊害」「旧弊」
②やぶれる。ぼろぼろになる。「弊衣」「弊履」
③つかれる。よわる。たおれる。「疲弊」
④自分のことにつける謙称。「弊社」「弊店」
つづく
『年中行事絵巻』六巻 部分 中央公論社 日本絵巻大成8
『年中行事絵巻』八巻 部分 中央公論社 日本絵巻大成8
みなさま、いつもあいがとうございます。