映画『The Nightingale ナイチンゲール』4.1★/5 ジェニファー・ケント監督 2020 オーストラリア・カナダ・アメリカ合作
映画『The Nightingale ナイチンゲール』を見た。
歴史的背景、人種差別、アイルランド民謡、黒人とされる方々の言い伝えや歌や踊りや伝統。それらがうまく調合された秀作。
アイルランド人女性が、元は自分の国だったという黒人とされる男性の横に寝て、精神的な距離を縮める。
そして、信頼し、手を合わす。
決して、男女の恋といった者ではない。
差別される側同士の信頼とフィリアのその姿は美しい。
手を合わせた翌日、男は伝統の魔除けの化粧を見に施し、女に、強いては自分たち男の民族の執念のため、女の仇を討ちに行く。
それは歌舞伎に見られる忠義心ではない。
純粋な人間愛、人間としての尊厳の表れであった。
男は仇二人を死に至らしめるが、自分も負傷。
「このまま真っ直ぐに生き海沿いに行ってくれ。」
海に着くと、腹の真ん中に弾丸を受け負傷した男は、民族の伝統の祈り、あるいは歌を歌い、鳥の踊りをして、自然の神に捧げる。
そして、サンライズ。
女は、アイルランド民謡を歌い、幕。
観客、涙よろしく。
映画の文法がうまく生かされた良い映画だと感じた。
東大寺鏡池 後宴能
実はこんな遠くから見ています^^
みなさま、お越しくださいまして、ありがとうございます^^