映画『陽暉楼』 4,3★/5 1983年 監督 五社英雄 脚本 高田宏治 原作 宮尾登美子 緒形拳 池上季実子 浅野温子
映画『陽暉楼』を見た、この映画も、若い頃に見た映画で、もう一度見たくなったもの。
映画『櫂』と同じく宮尾登美子の作品を映画化したもので、『陽暉楼』と『櫂』は少女の買い付けの場面などの今では考えられない場面が共通して描かれていた。
日本の明治の一場面を垣間見た気がした。
陽暉楼のようは商業施設ではないが、民俗学の赤松啓介氏は全集で日本の●について違う角度から詳しく書かれていた。
今では考えられないことだが、日本にもこういった事実もあったのだと改めて感じた。
今回も見たという簡単な記録だけで失礼致します。
映画『陽暉楼』
監督 五社英雄
脚本 高田宏治
原作 宮尾登美子
緒形拳
池上季実子
浅野温子
1983年
昭和初期、土佐随一の料亭、陽暉楼を舞台に、女衒の太田勝造、その娘の芸妓・桃若、勝造の愛人・珠子らを中心とした人間模様を描く。(珠子は原作にない人物)
かつて勝造は、娘義太夫の呂鶴と駆け落ちするが、呂鶴は追っ手に斬り殺され、幼い娘が残された。娘は陽暉楼に預けられて成長し、今では売れっ子芸妓・桃若になっている。
勝造は芸妓、女郎をあっせんする女衒である。ある日、稲宗(いなそう)組から、妻の身売りに来た中学教師を紹介される。勝造が男に百円の前金を渡すと、夫婦はそのまま逃げてしまう。勝造は2人を探そうとはしなかった。
勝造の愛人・珠子は、勝造と別れて花を咲かすため芸妓になる、と言いだす。勝造は陽暉楼に連れて行くが、女将に断られる。帰りがけに桃若の姿を見かけた珠子は「これが陽暉楼の芸妓(げいこ)かいな」と捨てぜりふを吐く。桃若への対抗心から、珠子は玉水遊廓に行くことを申し出る。
ある宴席で、桃若は帝大出の銀行員・佐賀野井と出会い、恋心を覚える。一方の珠子は玉水の明月楼に入り、初めての夜にいったんは逃げ出してしまうが、意を決して店に戻る。珠子は売れっ子の女郎となる。 以前、勝造から金を持ち逃げした女は、丸子という芸妓になっており、稲宗組の指図で陽暉楼に入ることになる。
ある日ダンスホールで、桃若ら芸妓とひいき客の一行は、珠子たちに鉢合わせをする。珠子はあてつけるように佐賀野井と一緒にダンスを踊り、皆の喝采を浴びる。ダンスホールの洗面所で、桃若と珠子はつかみあいの喧嘩になる。その夜、桃若と佐賀野井は結ばれる。
桃若はやがて妊娠するが、佐賀野井はヨーロッパに旅立ってしまう。陽暉楼の女将は、桃若の子は旦那の堀川の子だということにして、いずれ桃若に店を継がせようと考えている。しかし桃若は、女将の意に従わず、旦那の堀川と別れ、一人で女の子を産む。胸を病み働けなくなった桃若は、子供を陽暉楼に託す。
陽暉楼の主人はばくち好きで、土佐への進出を狙う稲宗組から借金を重ねる。稲宗組に従わない勝造は命を狙われることになる。