竹斎老宝山吹色(ちくさいらう たからの やまぶきいろ)7 五丁裏 六丁表 寛政六年 築地善交作 北尾重政画
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早稲田大学 古典籍総合データベース
五丁裏
ある時
さる御屋
しきうら
まんざいに
あてこす
られても
なひたなつ
ちりと
かぼちや
しりの
にやり、どう
ぞ おいどを
なをして
もらひ
たひと
たのんで
くる
六丁表
それこそいともか、すき
御事、まづ御きう
そくなさるべし、ちや
うけにおいも、かぼ
などゝ言へるいつき
とうぜんのしろ
物をいだせバサァ
しめるほどに/\
お北斗いつてハくひ、
げら/″\わらつてハ
つめこみ、のち
にハ気を
おもくして
かべばつかり
にらんでゐ
たりしが、しバ
らくありて
おなかゞぶく
/″\して
くると、やたら
むしやうに
もみつちりを
はじめ
ける
五丁裏
ちくさい
さまの
おやしきハ
もうこゝ
かへ、わしや
はづかしい
もをしが
つよし
六丁表
わたくらハ竹斎
けらいのにら
みの介でござ
ります、もつと
おいもを
あげま
しやう
どうぞ おいどをなをしてもらひたひ
おいど
「おいど」は、お尻、おけつの事で、京都弁だとばかり思い込んでいたが、江戸時代江戸でも「おいど」は使われていたようだ。
おいど(御居処)
【おいどの語源・由来】
「お」は接頭語の「御」
「い」は「座る」を意味する古語「ゐる(居る)」の名詞形
「ど」は「場所・所」を意味する「と・ど(処)」で、おいどは「座るところ」という意味。
おしりは座る際の中心となる部位であるため、中世頃から上品な女性語として用いられるようになった。