竹斎老宝山吹色(ちくさいらう たからの やまぶきいろ)2 口上 寛政六年 築地善交作 北尾重政画
早稲田大学 古典籍総合データベース
口上
一 私儀此度扁鵲(へんじやく)其沰退(そこの)事、華侘(くハだ)はだ
そとまたす、古今未曽有(未ぞう)の料治(りやうぢ)
程/″\、工夫仕候間、御望(のぞみ)の
御方様ハ、御賑々(にぎ/\)敷 御光駕の御
偏(ひとへ)に奉希候以上
寅
正月 薮内竹斎
扁鵲(へんじゃく)
扁鵲(へんじゃく)は、古代中国、とくに漢以前の中国における、伝説的な名医である。
扁鵲(へんじゃく) (ウィキペディア)
その行動・人格・診察・治療のありさまは『韓非子』や『史記』その他にさまざまな逸話を残し、「漢方医で脈診を論ずる者はすべて扁鵲の流れを汲む」とも言われ、また彼の言動業績から「六不治」(ろくふち)など多くの漢方医学の用語や概念がうまれた。
転じて、今では「扁鵲」もしくは「耆婆扁鵲」(ぎばへんじゃく)というと、それだけで名医の代名詞として用いられることも多い。
未曾有(みぞう)
今までに一度もないこと。
賑々(にぎ/\)敷
にぎにぎしき
御光駕(おんこうが)
光駕(こうが)
他人を敬って、その人が訪ねて来ることをいう語。来駕。光臨。「御光駕を賜る」
御偏(ひとへ 御辺)
あなた。貴君。
▽対称の人称代名詞。 出典平家物語 八・妹尾最期 「ごへん申して給(たま)はらせ候へ」
[訳] あなたは(殿に)願って(備中(びつちゆう)の妹尾(せのお)の地を)拝領なさいませ。