恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』 93 四十一丁裏と、『伊勢物語』岩波古典文学大系9
富田高至 編者
和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年
下 93 四十一丁裏
四十一丁裏
◯をかし、男、身ハおもくて、いとたかき木の上への
ほりけり、すこしたてゝにや、ありけん、少しておもひ
おきて思い、詫てよめる、
あぶな/″\ のほりハすへし枝もなく
高き木のそら くるしかりけり
『仁勢物語』和泉書院影印業刊
あぶな/″\ のほりハすへし枝もなく
高き木のそら くるしかりけり
『伊勢物語』岩波古典文学大系9より写す
あふな/\ 思ひはすべしなぞへなく
高く卑しき 苦しかりけり
あぶな/″\ のほりハすへし枝もなく
高き木のそら くるしかりけり
危な危な 登りは少し 枝もなく
高き木の空 苦しかりけり