絵図は二巻
『年中行事絵巻』日本絵巻大成 8-34 【巻四 射遣(いのこし)、賭弓(のりゆみ) 門前近く】三紙〜七紙 中央公論社 小松茂実編
日本絵巻大成 8 巻四 三紙〜七紙
門を入ると、中将門通り
中将門通りに、前回記録した門前には、檳榔毛車(びろうげのくるま)や文車(もんのくるま)が見える事になる。
春宮坊(とうぐうぼう)の東雅院の南土門(画 上)
袿(うちぎ)を壺折した女(門前)
揉烏帽子の子供のつれている犬が、けたたましく吠える。
近衛の大将
垂纓の冠、縫えきの束帯、剣、
後ろに、二人の随身、
さらに、矢取り、沓持ちの白張り、二人
(『年中行事絵巻』日本絵巻大成 引用)
春宮坊(とうぐうぼう)
春宮坊(とうぐうぼう、みこのみやのつかさ)は、日本古代の律令制において、皇太子の御所の内政を掌った機関である。
東雅院〘名〙
(東宮雅院)
平安京大内裏に設けられた皇太子の御所。
内裏の東、待賢門内の北にあり、東雅院・西雅院の二院が並び、東宮職の曹司(ぞうし)もその中に置かれた。
西雅院が多く使用された。
雅院。 ※文徳実録‐嘉祥三年(850)三月己亥「須臾駕二輦車一、移二御東宮雅院一」
袿(うちぎ)
1. 昔の貴婦人の重ね上着。この上に唐衣(からぎぬ)・裳(も)をつけて正装とする。
2. 男子が直衣(のうし)・狩衣(かりぎぬ)の下に着た服。
壺折
1 小袖・袿 (うちき) などの裾 (すそ) をたくし上げ、腰のあたりを紐 (ひも) で結び留めてから折り下げること。
→壺装束 (つぼそうぞく)
2 歌舞伎の衣装の一。
錦 (にしき) などで作った、広袖で丈長 (たけなが) の羽織状のもの。
時代物の貴公子や高位の武人の常服に用いる。
揉烏帽子
薄く漆を塗って柔らかにもんだ烏帽子。
兜 (かぶと) などの下に折り畳んで着用した。
引立 (ひきたて) 烏帽子。 梨 (なし) 打ち烏帽子。
垂纓(すいえい)
のちには、幅広く長い形に作って巾子の背面の纓壺(えつぼ)に差し込んでつけた。
時代により形状が異なり、垂纓(すいえい)・巻纓(けんえい)・立纓(りゅうえい)・細纓(さいえい)・縄纓(なわえい)などの区別がある。
随身
1《名・ス自》つき従って行くこと。また、その人。お供。
2.《名》中古、上皇・摂関・大臣など貴人の外出の際、護衛した武官。