絵図は二巻
『年中行事絵巻』日本絵巻大成 8-27 【巻三 貴族邸の鶏合(闘鶏)】十紙〜十七紙 中央公論社 小松茂実編
日本絵巻大成 8 巻三 十紙〜十七紙
貴族邸の鶏合(闘鶏)
貴族邸(寝殿造)の建物
籠に鶏を入れて、白張(衣)の男に鶏を売ろうとする、鶏行商の男。
中庭には籠を伏せた中に鶏がおり、鶏合(闘鶏)の合図を待っている。
無法の闖入者を追ひ払う男がいる。
打たれては大変と、門の外へ逃げる。
寝殿造 (大辞泉)
平安中期に成立した貴族の住宅形式。
中央に寝殿とよぶ主屋があり、その東・西・北にそれぞれ対屋(たいのや)を設け、渡殿(わたどの)で結ぶ。
東西両対屋から南に中門廊を出し、中ほどに中門を、先端の池畔に釣殿を設ける。
屋根は檜皮葺(ひわだぶ)き・入母屋(いりもや)造り。室内は板敷きで、置き畳を用いた。
寝殿の前庭は白砂敷きで、その南に中島のある池がある。
建物の配置は左右対称を理想としたが、平安後期にはしだいにくずれ、簡略化されていった。