金々先生造化夢 15 十三丁裏 十四丁表 山東京伝 作 北尾重政 画
寛政6年 版元 蔦屋重三郎
金々先生造化夢 山東京伝 作 北尾重政 画
山東京伝 1761-1816
北尾重政 1739-1820
[江戸] : [蔦屋重三郎],
寛政6[1794]序
黄表紙
一冊 19cm
読んでいるのは、早稲田大学デジタルライブラリー
ヘ13 02056 0012
十三丁裏
かくてやりこせんのちやづけめし、できあがりけれバ、 仙人のおかしら、これを、きん/\せんせいにくハする きん/\せんせいハ此ちやづけめしをこしらへるおほ くの人のしんろうをもくぜんにみたる事、なれ ハぜんにすはりて、つく/\思ひけるハ、わずかに ちやづけめし、一ぜんたつた、二夕キレのうらの ものといへども、いく万人の手にかゝり ける かぞくへつくしがたし、りやうり なん どハ、いくおくをく、万人のしんくなる かは□□しるべからす、これを思へバ 家をつくり、きものをき、人間一生入 用の品/\ハみな、これいく万人 のしんくをつめりしかる 時ハ互に一まい はし一戦も わがものに あらす、皆 天地より めぐみ給ふ 所なりて め一りらも あそんていて くらふハもの 十四丁表 たいなき 事なり申 そうじや ナァ、と、かん しんのあまり、ひざの うへゝ、しろきなみだ をこぼしければ、おきう じのどうじがめつけて、 もしめしつぶがこぼれ ましたもいく/\ 十四丁表 「いかにきん/\せんせい、なん ぢなまものじりにして、さだま ると、せいもせず、あたかに きあくまてくらひ、千万人の しんくをついやて、ぶらついて給 たるハ、大きなるあや まりなり、うき よハいぼあい もちなんと、こ れでちや づけめし をくふ やうに さら/\とさ とりがひらけ たであろふ、 十三丁裏 下 たゞ今までハちやづ けめしなどハ なんのきもつ かず、ふ しやう/″\ にたべ□(欠け) したる、 さん/\ おぼゞの 人のしん ろ□す る所を こまして ハのどへ つかへて たべられませ ぬ、今までゑようくひに 着よく、ちのみいた したハ、大き なあやまり、 ひもじひ ときにまづ い ものな 十四丁表 下 しと 申が よい たとへで ござり ます、