化物和本草 9 六丁裏 七丁表「四四しんちうの鼠(ねつみ)」
山東京伝作 葛飾北斎画 寛政十 版元 山口屋忠右衛門
化物和本草 3巻
山東京伝作 1761-1816
葛飾北斎画 1760-1849
版元 山口屋忠右衛門
寛政十 (1798)
18cm
黄表紙
読んでいるのは、早稲田大学デジタルライブラリー
化物和本草 六丁表
「四四しんちうの鼠(ねつみ)」一名、ねづみやばり
でんそハけしてうづらとなり、
このしんちうのねづみ、けして
あめとなるときハおいをやしなひ
また、つりがねとかんじ、かなぶつと
けするときハ、ぶさいのたねども
なるつねにたばこのはをゑじきととし
くちよりけふりをはく
ひとりゐのつれ/″\をなぐさめ
たびぢの歌を散らし、
きやくのもてなしともなる
のうあつて
はなはだしき
ねづみなり
しんちう
/\と
なくこゑ
四々十六づつ
なくゆへ
四々しんちうの
ねづみと
なづく、
化物和本草 七丁裏
もしこのねずみのゆへに
どくにあたりゑ至る
ときハ、さとうゆを
のむへし、たちまち
ぢす、またへびに
さゝれたるとき
とのねづみのやにを
つくれハその
どくをさる
まむしにさゝれ
たるにもよし、
これハ
きつとした
しよもつにいてゝ
たしかなること
なれバ
ひとのために
こゝに
しるす、
化物和本草 七丁裏
「てつそといふハ
きいやが
しんちうのねづみとハ
はて、めづら
しい
化物和本草 六丁表
四々しんちうのねづみの言葉
てつでハ
ござらぬ
しんちう/\
/\/\
化物和本草 六丁表
悪戯書き
一各
銀々虫
□(欠け)モ云
化物和本草 七丁裏
三桝の衣装を着た鬘も團十郎風の男が縁側に立ち
四四しんちうの鼠を見て
右手に太刀、左手に扇で古典的な歌舞伎の形を作り、
見得よろしく
はて
うそつき
ねづみ
じや
四々しんちうのねづみの名前の由来
しんちう
/\と
なくこゑ
四々十六づつ
なくゆへ
四々しんちうの
ねづみと
なづく、
三桝の衣装を着た鬘も團十郎風の男が縁側に立ち
四四しんちうの鼠を見て
右手に太刀、左手に扇で古典的な歌舞伎の形を作り、
見得よろしく
はて
うそつき
ねづみ
じや
ここはひとまず、私の馴染みのある十二代目の團十郎の声色と言い回しで台詞を投げかけ、十二代目の決めで見得を切りたい。
はぁて
うぅそぉつき
ねぇづぅみぃ
じや!
と、『毛抜』風に言い回したい^^