『疱瘡心得草』9 08裏 09表絵図 志水軒朱蘭 述
『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
一冊
出版 蓍屋善助
寛政10 [1798]
国立国会図書館デジタルコレクション
請求番号 852-26
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『疱瘡心得草』
国立国会図書館所蔵
07表 見点(でそろい・けんてん)三日間(あいだ)の吉凶(よしあし)の心得の事
08裏 右
見点(でそろい・けんてん)のみへそめにハ、表裏(ひやうり)の虚実(きよじつ)を考(かんが)へ、うかするてだて
かんじんなり、痘人(ほうさう人)の性(しやう)として、風寒(ふうかん)にて表(ひやう) をとづる
もの有、裏(うら)の気のよわきもの有、此外に毒気(どくき)をすか
して発(はつ)するもの有、是等(これら)詳(つまびらか)に弁(わきま)へて、よき医師(いしや)を頼(たの)み
家内(かない)の介抱(かいほう) 如在(じよさい)なく 心得る事肝要なり、吉症(きつしやう)と云(いふ)
とも、出浮(いでう)くまでハ、大切(たいせつ)也、風(ふ)としたる物にさらわれて
至(いたり)て軽(かろ)き疱瘡にても、出(いで)浮(うき)かずして、変(へん)にあひ、又ハ
折角(せつかく)出浮(いでうき)かけて引込(ひきこむ)もあり、かせ口より出浮がたき
を大事とすべし、痘(いも)の始終(しじう)ハ全(まつた)く発熱(じよやみ)の時(とき)に
弁(わきま)へしるべし、見点(でそろひ)頭 面(かしら かほ)より見へ、手足ともに ばらりと
表(ひやう) をとづる
表、訪ずる
詳(つまびらか)
詳か 審か
〘形動〙 (「か」は接尾語。古くは「つばひらか」) 物事の有様などを細部にわたって認め得るさま。ことこまかなさま。くわしいさま。また、物事の状態などがはっきりわかっているさま。つばら。つばらか。つぶさ。委曲。委細。
※書紀(720)神武即位前戊午年八月(北野本訓)「天皇即ち、道臣命を遣して其の逆(さか)ふる状(かたち)を察(みせ)たまふ、時に、道臣命、審(ツマヒラカ)に賊害(あたなふ)心有ることを知りて」
かせ口のかせ
綛(かせ)
1 紡錘 (つむ) で紡いだ糸を巻き取るH形またはX形の道具。かせぎ。
2 (綛)取り扱いに便利なよう、一定の大きさの枠に糸を一定量巻いて束にしたもの。また、それを数える語。1綛は綿糸768メートル、毛糸512メートル。
3 手ぬぐいなどを掛けておくもの。
4 「桛糸 (かせいと) 」の略。
[補説]「桛」「綛」は国字。
国立国会図書館所蔵
09表 左 挿絵
図 能 山 江 大
(づ の やま へ おう)
大江山の図