『疱瘡心得草』8 07裏 08表 志水軒朱蘭 述
『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
一冊
出版 蓍屋善助
寛政10 [1798]
国立国会図書館デジタルコレクション
請求番号 852-26
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『疱瘡心得草』
国立国会図書館所蔵
07裏 右
出るものあり、発熱(ほつねつ)の時ハ、軽(かろ)く、重(おもき)には有るべからず、総(すべ)て
食事(食事)ハ喰(く)ひかねるものなら、痘(いも)ハ始(はじめ)終(おわ)り、胃(ゐ)の気を根(こん)
本(ぼん)とす、重(おも)しといへども、只(ただ)箸(はし)のすたらぬを吉として
凌(しの)ぎ通(とお)すべし、生(むま)れ付て 肝(かん)の気高(たか)ぶるものハ、発熱(ほつねつ)に
目をみつめる事ありとも、驚(おどろ)くべからず、必(かならづ)驚(おどろ)くべからず、必(かなら)ずその跡(あと)おだ
やかなるものなり、うわこと 多く、人(ひと)見(み)しりさへ弁(わきま)へぬもの
難症(なんしやう)の 又大の悪性(あくしやう)ハ序病(じょやみ)の時、頭面(かしらおも)て計(ばか)り、火に
焼(やくる)が如(ごと)く、赤(あか)く紅(べに)のかたまりて、動(うご)かざるもの、
うわこと
うわ言
国立国会図書館所蔵
08表 左
雁(がん)のなく如(ごとく)なるは、大悪痘(だいあくとう)なり、たゞ 一がいには、論(ろん)じがたし、
吐瀉(としや)、また腹(はら)いたむもの、食滞(しよくのとゞこほり)ひへの気と、又痘の毒火(どくくわ)に
よるもの 二つなり、其内(そのうち)序熱(ほとほり)の腹(はら)くだりハ 急(きう)には とめ
難(がた)し、吐(は)くものハ、痘(いも)の毒火(どくくわ)、上へ向(むか)ふ故に重(おも)し、兎角(とかく)吐(はくこと)を
治(じ)すべし、ひへによりて、下(くだ)るをとめざれば、疱瘡(ほうさう)出うきかぬる
もの也、大便(だいべん)数日(すうじつ)けつする時、少(すこ)し通ずべし、疱瘡(ほうさう)の毒火ど(どくくわ)
によりて、腹痛(はらいた)めば 腰(こし)へかけていたむなり、是(これ)必(かならず)重(おも)し 発熱(ほつねつ)
のとき、汗(あせ)出るもの気和(くわ)し、甚(はなハだ 吉(よき)症(しやう)なり、血症(けつしやう)ハ悪(あし)し
発熱(はつねつ)に鼻血(はなぢ)出るハ治すべし、気遣有べからず
見点(でそろい・けんてん)三日間(あいだ)の吉凶(よしあし)の心得の事
吐瀉(としゃ)
《名・ス自》嘔吐(おうと)と下痢。はきくだし。
序熱(ほとほり)
ほとぼり
ひへ(ひえ 冷)
大便(だいべん)数日(すうじつ)けつする時
大便、数日 欠する(便秘)時
三日間(あいだ)
三日の間
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