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『疱瘡心得草』6 05裏:挿絵 06表:本文 志水軒朱蘭 述

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    『疱瘡心得草』6 05裏:挿絵 06表:本文 志水軒朱蘭 述 



 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26




 
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 『疱瘡心得草』
疱瘡2-1
国立国会図書館所蔵
05裏  右

高(たか)き棚(たな)などに祭(まつ)るべからず、疱瘡病人(ほうさうにん)の喰(く)ひて

わるき品(しな)を神へ備(そな)ふべからず、神の燈明(とうみやう)ハ昼夜(ちうや)燈(とも)

し置(おく)べし、神おくりハ 十五日にさゝ湯(ゆ)して送(おく)るなり

神いませば、油断(ゆだん)する事なし、世間(せけん)に 十二日に神を

送(おく)るハ誤(あやま)りなり、神送(おく)りして後(のち)に変(へん)にあふもの多(おゝ)

し、出そろひより、十二日にして、序病(じよやみ)ゟ十五日めなり

  肌着(はだぎ)の袖(そで)を長(なが)くする心得(こゝろへ)の事

袖長(そでなが)とは、両手(りやうて)をのべて、三寸ばかりも指先(ゆびさき)より長(なが)く

ゆつたりとすべし、袖口(そでぐち)を細(ほそ)くすべからず、手(て)の出(だ)し入(いれ)

ゆるきを要(よう)とす もし痘病人(ほうさうにん)眠(ねむ)る時ハその袖の

疱瘡2-1
国立国会図書館所蔵

06表 左
先ひもにてくゝりおくべし、我しらずに つむり、又かほに

手をあげて掻事(かくこと)あるものなり、又ひとへの紅木綿(べにもめん)を

頭(つむり)に着(き)せ置くべし、水(みづ)もりの頃(ころ)に、ぜひ礙(さわ)るものなり、此

袖長(そでなが)にて防(ふせ)ぐべし、又水(みづ)もりより、両足(そく)のあわひに木(も)

綿(めん)のひとへ襦(じゆ)ばんにても、へだてに挟(はさみ)て、足(あし)の爪先(つまさき)にて

足(あし)と足(あし)と両方(りやうほう)すりて、掻(かき)破(やぶ)らぬやうに 用心(ようじん)に気(き)を

付(つく)べし、かならず手(て)ばかりの気遣(きづか)ひして、足(あし)にはこゝろ

つかぬものなり

  疱瘡前後(ほうさうぜんご)禁食(どくいみ)の品(しな) 心得(こゝろへ)の事
酢(す) 酒(さけ) 麺類(めんるい) 餅類(もちるい) 惣(そう)じて油気(あぶらけ)の類(るい)、食事(しょくじ)に魚類(ごよるい)





さゝ湯(ゆ)  (大辞林)
 ささ ゆ 【笹▼湯・酒▽湯】
 ① 巫女(みこ)が口寄せをする際、熱湯に笹の葉を浸して、自分の身にふりかけ祈禱(きとう)すること。ささばたき。
 ② 〔米のとぎ汁に酒(ささ)を加えるからとも、笹の葉を浸してふりかけるからともいう〕
  小児の疱瘡(ほうそう)が治ったときにふりかける湯。さかゆ。



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