『疱瘡心得草』2 01裏:挿絵 02表:本文 志水軒朱蘭 述
『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
一冊
出版 蓍屋善助
寛政10 [1798]
国立国会図書館デジタルコレクション
請求番号 852-26
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『疱瘡心得草』
国立国会図書館所蔵
01裏 右 挿絵
疱瘡神(ほうさうのかみ)祭る づ
図
国立国会図書館所蔵
02表 左
にも不及(およバず)至(いた)りて重(おも)きに当たれバ、薬(くすり)も届(とゞ)かぬ事(こと)あり、病(やまひ)
を受(うけ)て三五十五日の間なり、始(はじめ)て疱人(ほうそうにん)の熱(ねつ)ある時(とき)は、其(その)心(こゝろ)
得(え)忘(わす)れず、気(き)を付(つ)ける事 第(だい)一なり、いよ/\疱瘡(ほうさう)らしき事
なれバ、其人(その人)の目(め)の内(うち)に涙(なみだ)たるみて、まだるきが如(ごと)し、両足(りやうそく)
おかねも有(あ)り、腹中(ふくちう)に通(かよ)ふ熱(ねつ)を特(とく)と考(かんが)へ知(し)るべし、見様(みやう)
能(よく)/\疱人(ほうそうにん)の容体(ようだい)を昼夜(ちうや)にくわしく見置(みおき)て、良(よい)
医者(いしや)に告(つ)げ聞(きか)せ、油断なく看病(かんびやう)あらば、たとひ難(むつかしき)疱(ほうそう)
なりとも、少(すこ)しも一命(いのち)に気遣(きづか)ひなし、平癒(へいやう)するかと
疑(うたが)ひ有(ある)べからず
受(うけ)て三五十五日の間なり、
病にかかって、一年経った意
気(き)を付(つ)ける事 第(だい)一なり、
気をつけることが、一番大切であるという意味
涙(なみだ)たるみて
たるみて
たる-み 【垂水】名詞
滝。
出典万葉集 一四一八「石走(いはばし)るたるみの上の早蕨(さわらび)の萌(も)え出(い)づる春になりにけるかも」
涙(なみだ)たるみて
涙が溢れ出て
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『疱瘡心得草』2 01裏:挿絵 02表:本文 志水軒朱蘭 述
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