富田高至 編者
恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』29 「腹にあきし なめしハいつもくらひしと けふの花みににる米もなし
」 十六丁表
和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年
左
29 十六丁表
◯をかし山寺の児達の花見に飯酒なかりけれハ
腹にあきし なめしハいつもくらひしと
けふの花みににる米もなし
29 十六丁表
◯おかし山寺の児子(児)達の花見に、飯酒無かりければ
腹に飽きし 菜飯はいつも食らいしと
今日の花見に煮る米も無し
児
児子(ちご と読ませている)
『仁勢物語』和泉書院影印業刊
腹にあきし なめしハいつもくらひしと
けふの花みににる米もなし
『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す
花にあかね 嘆きはいつもせしかども
今日のこよひに 似る時はなし