富田高至 編者
恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』30 十六丁表
和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年
左
30 十六丁表
◯をかし男、はつれ也ける女のもとに
あふなきハ 目玉のうへのいももらひ
つふし損して かくかなるなん
29 十六丁表
◯おかし男、はずれ也ける女の元に
危なきは 目玉の上の芋貰い
潰し損じて かくか なるなん
はつれ也ける 岩波古典文学大系『仁勢物語』頭注
目の淵に、引きつったもの(方言 和歌山・神戸に在残)
いももらひ 岩波古典文学大系『仁勢物語』頭注
まぶたの上にできる、麦粒腫(伝染病)
『仁勢物語』和泉書院影印業刊
あふなきハ 目玉のうへのいももらひ
つふし損して かくかなるなん
『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す
逢ふことは たまの許(ばかり)おもほへて
つらき心の 長く見ゆらん