2011.12 御まつり 後宴能『殺生石』 (春日大社)
蜷川幸雄演出 小栗旬主演の舞台『caligula カリギュラ』を見る。
今から10年前、うまい役者たちの中で、花沢類のイメージを全て捨て舞台に挑んでおられた小栗旬に、改めて好感を感じた。
また、若村麻由美の舞台後半の感情移入は見事で、小栗旬主演の舞台『カリギュラ』の相手は若村麻由美を置いて他になかったのでは無いかとも思わせる渋い美しいなりきりであった。
また、小栗旬に顔を近づけた勝地涼の表情は、もう一人の小栗の人格をも感じさせ、この場面も感心した。
感心したといえば、横田 栄司。この方はうまい。声良し間良し表情良し。おまけに重厚で、舞台が上等に感じられる。横田 栄司の作品を注意して見てみたい。
それにしても、小栗旬は頑張っておられた。
好きな役者の作品を見ると、ついつい見ている側も力がこもり、見終わった後には程よい緊張の疲労感と満足感が残る。
こんな舞台なら、見に行きたい。
歌舞伎、能楽、芝居、祭り伝統芸能を見に行きたい。
舞台が見たい。
芝居が見たい。
劇場に行きたい。
見たいんだヨォ〜〜〜
と、内心、叫ぶ。
舞台『カリギュラ』 蜷川幸雄演出
残虐非道なローマ帝国の若き皇帝・カリギュラと、それを取り巻く人物の悲しい模様を描いた本作。蜷川とは『ハムレット』(2003年上演)以来の付き合いという小栗は「蜷川さんは、普段携わることのない文化や、演劇の良さを届けてもらえる偉大な方です。劇中の見所? (4種類の)女装をします。悪役ですが、楽しみにしてください!」とアピール。蜷川も「この話は彼のために演出した。今、人気が出てブレイクしているのは当たり前。悪そうで利口、芝居も上手いんですよ」と褒めると、小栗も「本当は純粋でピュアです!」と、ジョークを飛ばす間柄で、仲の良さを表していた。
舞台『カリギュラ』
2010年11月7日から30日まで
Bunkamuraシアターコクーンで上演される。