(写真は東大寺)
映画『浮世風呂』
(映画『浮世風呂』1958年 木村恵吾監督 伴淳三郎 近衛十四郎→ 古典『浮世風呂』(岩波古典文学全集 赤))
映画『浮世風呂』を見た。
江戸時代の風呂の様子や○○禁制、御法度の様子が手に取るように描かれていた。
風呂屋の石榴口、番台(やり取り、刀、心付け)、こうりと棚、
女風呂、男風呂、朝風呂 長湯、
火加減、火吹き、小間使い、
風呂屋の表の様子
風呂屋の二階の仕出し屋から取り寄せた酒魚の豪華な料理、酌、女たち、
同じく風呂屋の二階の髪結い、按摩、膏薬、
風呂屋の二階で遊ぶには、相当額が必要であったらしい。
上に書いたこれらは江戸時代の風呂屋の様子を記した本に多く出てくるが、うる思えであることをお許し下さい。
「田舎者でござい」と声をかける。
映画には無いが他にも
「つめたでござい(冷たい体であいすみません)」
「子供でござい」など
御免よと挨拶して入る石榴口(乱鳥)
のぼせた男が柄杓いっぱいの水を拒む。
風呂屋は高くつき、後には毎回払いになったという。
だが、風呂屋の二階の行いは続いていた。
忍びで役人が偵察に来るというのも納得がいく。
二階に上がらずとも、柄杓の水に高額な金銭の出費はさけたいと、男も強情だ。風呂にあたり、倒れる。
江戸時代、そして風呂屋での様子をおもしろおかしく描く本映画に拍手を送りたい。
上に書いたのぼせた男、敵討ち相手探すための朝から晩までの長風呂
敵討ちは当時世間のヒーローと何かに書かれていたり、芝居(新歌舞伎)にも出てきた。
映画でも往来に人は集まり、ヤジを飛ばし、風呂屋でのぼせた男を応援する。
江戸だ。江戸時代だと、ここでも感じた。
風呂屋でのぼせた男は肩にコウモリの刺青をした仇討ち相手をくる日もくる日も探す。
コウモリは『白波五人男』の蝙蝠安を思い浮かべる。
蝙蝠安は右ほほ。
風呂屋で見た男は、右肩に蝙蝠の刺青。
探しているのは、左肩に肩に蝙蝠。
当時の風呂屋煮は誓約書(・)のようなものがあり、けんかは禁止だった。
風呂屋内での仇討ち騒ぎ、「ひとちげいだ。かんにんしてくれよ。」とあっさりおさまる当時ののどかさにほくそ笑む。
映画『浮世風呂』が始まってすぐに、若い男が若い女に襲いかかる。
○○が閉鎖されたため、男たちは懐銭で楽しむことができず、ついつい犯罪が増えたという。
この頃、吉原は公認されていた。
古典『浮世風呂』(岩波古典文学全集 赤)を手に取ると、はじめのページに次のように書かれている。
若い男は…で、風呂屋に駆け込み、気を紛らす。(要約)
『浮世風呂』(岩波古典文学全集 赤)はとりあえず「男風呂 朝湯」迄は昨夜のうちに読んだ。
本書は当時の江戸や風呂の様子がよく分かるに、何よりも面白い。
映画の『浮世風呂』は古典『浮世風呂』とは全く違う筋書き。
だが、随所随所にその様子が取り込まれていて、読んでいると『あの映画の場面はここからさんこうにされたのかな?』ナァんて想像しながら読むのが楽しい。
映画『浮世風呂』は一部の役者さん以外は知らない方が多かった。
起承転結がはっきりしてお利、全てが最後に美味く結びつけられ、映画内では極悪人を一人とて描くことが無い。最後がハッピーエンドで皆が華々しい気持ちで幕を閉じるので、見ているわたくしも幸せな気分で見終えることができた。
映画『浮世風呂』が思いのほか面白かった。なので、夜、書棚(岩波の赤と緑のコーナー)を舐め回し、自然な形で『浮世風呂』を手に取る。
緑の方が開設がわかりやすいとも思ったが、時代を経て紙質の色合いが目に優しいので、今回は赤で読むことにした。
つづきが楽しみだ。
内容が違うのを承知の上。古典に誘導させる映画『浮世風呂』は興味深い映画の一つだと思う。
本編尺:78分
製作年:1958年
製作会社:松竹
監督:木村恵吾
脚本:小国英雄
出演:伴淳三郎 伊藤雄之助 松本錦四郎 伊藤弘子 福田公子 伊吹友木子 山鳩くるみ 関千恵子 水戸光子 近衛十四郎
オノゾキ厳禁!男ゴゴロを誘うなやましき湯女の肢体…お色気満点お江戸名物とるこ風呂!
有名な天保の改革で営業停止寸前にあった江戸名物「丹前風呂」を舞台に、ここに登場する湯女たちや抱主、出入りする客の諸相百態、喜怒哀楽を描き出す移植の風俗ドラマ。
映画『浮世風呂』
(映画『浮世風呂』1958年 木村恵吾監督 伴淳三郎 近衛十四郎→ 古典『浮世風呂』(岩波古典文学全集 赤))
映画『浮世風呂』を見た。
江戸時代の風呂の様子や○○禁制、御法度の様子が手に取るように描かれていた。
風呂屋の石榴口、番台(やり取り、刀、心付け)、こうりと棚、
女風呂、男風呂、朝風呂 長湯、
火加減、火吹き、小間使い、
風呂屋の表の様子
風呂屋の二階の仕出し屋から取り寄せた酒魚の豪華な料理、酌、女たち、
同じく風呂屋の二階の髪結い、按摩、膏薬、
風呂屋の二階で遊ぶには、相当額が必要であったらしい。
上に書いたこれらは江戸時代の風呂屋の様子を記した本に多く出てくるが、うる思えであることをお許し下さい。
「田舎者でござい」と声をかける。
映画には無いが他にも
「つめたでござい(冷たい体であいすみません)」
「子供でござい」など
御免よと挨拶して入る石榴口(乱鳥)
のぼせた男が柄杓いっぱいの水を拒む。
風呂屋は高くつき、後には毎回払いになったという。
だが、風呂屋の二階の行いは続いていた。
忍びで役人が偵察に来るというのも納得がいく。
二階に上がらずとも、柄杓の水に高額な金銭の出費はさけたいと、男も強情だ。風呂にあたり、倒れる。
江戸時代、そして風呂屋での様子をおもしろおかしく描く本映画に拍手を送りたい。
上に書いたのぼせた男、敵討ち相手探すための朝から晩までの長風呂
敵討ちは当時世間のヒーローと何かに書かれていたり、芝居(新歌舞伎)にも出てきた。
映画でも往来に人は集まり、ヤジを飛ばし、風呂屋でのぼせた男を応援する。
江戸だ。江戸時代だと、ここでも感じた。
風呂屋でのぼせた男は肩にコウモリの刺青をした仇討ち相手をくる日もくる日も探す。
コウモリは『白波五人男』の蝙蝠安を思い浮かべる。
蝙蝠安は右ほほ。
風呂屋で見た男は、右肩に蝙蝠の刺青。
探しているのは、左肩に肩に蝙蝠。
当時の風呂屋煮は誓約書(・)のようなものがあり、けんかは禁止だった。
風呂屋内での仇討ち騒ぎ、「ひとちげいだ。かんにんしてくれよ。」とあっさりおさまる当時ののどかさにほくそ笑む。
映画『浮世風呂』が始まってすぐに、若い男が若い女に襲いかかる。
○○が閉鎖されたため、男たちは懐銭で楽しむことができず、ついつい犯罪が増えたという。
この頃、吉原は公認されていた。
古典『浮世風呂』(岩波古典文学全集 赤)を手に取ると、はじめのページに次のように書かれている。
若い男は…で、風呂屋に駆け込み、気を紛らす。(要約)
『浮世風呂』(岩波古典文学全集 赤)はとりあえず「男風呂 朝湯」迄は昨夜のうちに読んだ。
本書は当時の江戸や風呂の様子がよく分かるに、何よりも面白い。
映画の『浮世風呂』は古典『浮世風呂』とは全く違う筋書き。
だが、随所随所にその様子が取り込まれていて、読んでいると『あの映画の場面はここからさんこうにされたのかな?』ナァんて想像しながら読むのが楽しい。
映画『浮世風呂』は一部の役者さん以外は知らない方が多かった。
起承転結がはっきりしてお利、全てが最後に美味く結びつけられ、映画内では極悪人を一人とて描くことが無い。最後がハッピーエンドで皆が華々しい気持ちで幕を閉じるので、見ているわたくしも幸せな気分で見終えることができた。
映画『浮世風呂』が思いのほか面白かった。なので、夜、書棚(岩波の赤と緑のコーナー)を舐め回し、自然な形で『浮世風呂』を手に取る。
緑の方が開設がわかりやすいとも思ったが、時代を経て紙質の色合いが目に優しいので、今回は赤で読むことにした。
つづきが楽しみだ。
内容が違うのを承知の上。古典に誘導させる映画『浮世風呂』は興味深い映画の一つだと思う。
本編尺:78分
製作年:1958年
製作会社:松竹
監督:木村恵吾
脚本:小国英雄
出演:伴淳三郎 伊藤雄之助 松本錦四郎 伊藤弘子 福田公子 伊吹友木子 山鳩くるみ 関千恵子 水戸光子 近衛十四郎
オノゾキ厳禁!男ゴゴロを誘うなやましき湯女の肢体…お色気満点お江戸名物とるこ風呂!
有名な天保の改革で営業停止寸前にあった江戸名物「丹前風呂」を舞台に、ここに登場する湯女たちや抱主、出入りする客の諸相百態、喜怒哀楽を描き出す移植の風俗ドラマ。