15:『黄表紙・洒落本集』「御手料理御知而巳 大悲千祿本」 芝全交作 北尾政演書
『黄表紙・洒落本集』
日本古典文学大系59
「御手料理御知而巳 大悲千祿本」
芝全交 作
北尾政 演書
黄表紙から 「御手料理御知而巳 大悲千祿本」(おてりょうりおしるのみ だいひのせんろっぽん)を読了。
「御手料理御知而巳 大悲千祿本」は「御手料理御汁の実 大根の千六本」の洒落。
大悲ね観音を、千と御手とに千手をあらわす。 (日本古典文学大系59 108 頭注より)
洒落たことばやもじりが文の全面に多用され、言葉に出しても面白い。文字の連なりを視覚で感じてもおかしみがある。
有名な話や、江戸時代では皆がしっていたようなうわさ話もまじえ、そのもじりが連呼する。
言葉の切れが良く、言葉遊びとしても心に訴えるような気がする。
絵は楽しく、文字も読みやすく、江戸時代の人はこんなに楽しい読み物を気楽に楽しんでいたのかと感じた。
「御手料理御知而巳 大悲千祿本」を読んでいて次から次に歌舞伎役者の顔と言い回しが浮かんできた、
幸四郎さん、藤十郎さん、仁左衛門さん、菊五郎さん、左団次さん、弥十郎さん、富十郎さん
秀太郎さん、東蔵さん、福助さん、考太郎さん、芝雀さん
今回読んだ「御手料理御知而巳 大悲千祿本」では、上に書いた役者さんたちの舞台が目に浮かんだ。
配役?ここでは内緒です☆
(てれめんてい兵衛)「こっちのほうは、大かたてこづりました。」ばらばらばらばらばら
(観音)「せんじゆつめた事だ。」手きり金、千両箱。
「大悲の御手、沢庵づけの大根の御手のよふ也。」
(ゐざり)「モシ おあしの御あまりがあらば、下さりませ。」
(忠度) 「拙者ことを御ぞんじのとをり、借人知らず(書き人知らず)と御しるし下され。」
しなびて落ちたはたれにゃろ、かにゃろ、いとしいもんのに、やりまんしよ。との御誓願。
田「ゆふにやおよぶ。大望成就してうへで、両に八本の損料をもって、手を千本おかえし申さん。」
クワン「なに、それまでは田村どの。」
田「くわんのんさま。」
両人「さらばァ。」
手手てんてんてんてんてん
て>て>て>手手手手手手手手手手手手手手手手
ててててててててててててててててて
ててててててててててててててててて
ててててててててててててててててて
てててててててて
(観音)「ハテ此ての文字がめの字だと,薬師どのに進ぜたい。」
まさのぶ画 芝全交戯作 印
そういえば壺阪寺に行くと【め】って書いてあるなぁ!
お里沢市の芝居『壺阪霊験記』の舞台となったお寺だよ。
話は飛んじゃいますが…
そういえばこんな詩を覚えているよ。
てとてとてとて
てがよんほん
てとてとてとて
わらってる
谷川俊太郎さんの詩だよ^^
みなさま
お付き合い下さいまして、
感謝感謝でございます☆