Quantcast
Channel: 乱鳥の書きなぐり
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5148

93; 『第一阿房列車』 内田百? 新潮文庫 2003年

$
0
0
 (写真はわたくしの好きな アーブギーネ博物館(ガラス陶磁器博物館)  エスファハーン イラン)



        93;『第一阿房列車』内田百?




 丁子茄子( 丁子茄子 『鬼苑漫筆』 第一章 内田百間 )を読みいたく感心したので、今年になって内田百聞を読み始めた。
 この偏屈を四方に選んだような百聞先生。
 好き放題のわがままを思うがままに言葉に記しているように感じられる部分が多い。だが、そうではない。百県先生は百県先生にこことが先生で、周りに気を使っておらレルシーンに欲で食わす。
 自分のお優しさを、好き放題の言葉でかき消して、自分を押し通そうとする姿勢を崩しはしないのよ、多分、このわたくしは…みたいな自分の中の核として大切な部分を歩調や誇張で守り抜こうとする、人として、そして男性シンセとしてのデリケートな部分が女性のわたくしから見ていると、たいへん好ましく感じる。
 写させんせいのような方がいらっしゃったなら、こちらとしても多分酒の席を設けたく無いが、聴講するのは愉快だろうと思う。
 おそらくご自分のお考えがあり、聴講生から質問を受けただけで鼻息荒く顔を真っ赤にして反論されたように受け取ってちぐはぐに激怒してしまわれるような、先日亡くなられたA・S先生のような教授を思い浮かべてしまう。ですが、わたくし、こういった研究者や小説家が嫌いなのかといえば、さにあらず。たいへん好きな先生のお一人であった事をを思い出す。
 
 内田百?著作品は文庫『第一阿房列車』と『内田百?全集 第十六巻』(福武書店)とを同時に併読していたので、頭がこんがらがっていく。
 ただ、どちらを開けても、どのページにも百?節は健在で、この百?節は有る意味義太夫よりもインパクトがあり、清元よりも肩すかしを食わされる。
 これを考えると、漱石にまでお金を借りる天才偏屈人の百聞はおおむね幸せな方だなと感じた。


     内田百?、あっぱれじゃ!!!

  



 新潮文庫 データーベースより引用させて頂きました ▼
この書を携え、用がなくても旅に出よ!

「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行ってと思う」。借金までして一等車に乗った百けん先生、世間的な用事のない行程を「阿房列車」と名付け、弟子の「ヒマラヤ山系」を共づれとして旅に出た。珍道中のなかにも、戦後日本復興の動きと地方の良俗が描き出され、先生と「ヒマラヤ山系」の軽妙洒脱な会話が彩りを添える。読書界の話題をさらった名著を新字新かな遣いで復刊。

発行形態 新潮文庫
判型 新潮文庫
ISBN 978-4-10-135633-4
C-CODE 0195
整理番号 う-12-3
ジャンル 内田百?/(ウチダ・ヒャッケン)

(1889-1971)本名・内田栄造。別号・百鬼園。岡山市に酒造家の一人息子として生れる。旧制六高を経て、東京大学独文科に入学。漱石門下の一員となり芥川龍之介、鈴木三重吉、小宮豊隆、森田草平らと親交を結ぶ。東大卒業後は陸軍士官学校、海軍機関学校、法政大学のドイツ語教授を歴任。1934(昭和9)年、法大を辞職して文筆家の生活に入った。初期の小説には『冥途』『旅順入城式』などの秀作があり、『百鬼園随筆』で独自の文学的世界を確立。俳諧的な風刺とユーモアの中に、人生の深遠をのぞかせる独特の作風を持つ。著作に『続百鬼園随筆』『百鬼園俳句帖』『御馳走帖』『ノラや』、小説『実説艸平記』『阿房列車』等がある。文学
エッセイ
発売日 : 2003/05/01
内田百?/著
ウチダ・ヒャッケン

(1889-1971)本名・内田栄造。別号・百鬼園。岡山市に酒造家の一人息子として生れる。旧制六高を経て、東京大学独文科に入学。漱石門下の一員となり芥川龍之介、鈴木三重吉、小宮豊隆、森田草平らと親交を結ぶ。東大卒業後は陸軍士官学校、海軍機関学校、法政大学のドイツ語教授を歴任。1934(昭和9)年、法大を辞職して文筆家の生活に入った。初期の小説には『冥途』『旅順入城式』などの秀作があり、『百鬼園随筆』で独自の文学的世界を確立。俳諧的な風刺とユーモアの中に、人生の深遠をのぞかせる独特の作風を持つ。著作に『続百鬼園随筆』『百鬼園俳句帖』『御馳走帖』『ノラや』、小説『実説艸平記』『阿房列車』等がある。




  


Viewing all articles
Browse latest Browse all 5148

Trending Articles