『<映画>汐汲』
監督:池田浩郎
出演:七世尾上梅幸
1962年
21分
能の『松風』の趣向を借りた歌舞伎舞踊。蜑女の娘が恋人の在原行平を想いながら踊る。昭和37年9月歌舞伎座昼の部で上演されていた『汐汲』をフィルムに収めたもので、六代目中村歌右衛門とともに戦後昭和期を代表する女形、七代目尾上梅幸の品格ある舞踊を見ることができる。
1962年の『<映画>汐汲』はわたくしがまだよちよち歩きのかわいらしいおこちゃまだった頃のお舞台だね。
歌舞伎のカも知らなかったちっちゃな私は、多分そのこと鉄腕アトムやディズニーが好きだったような気がします。」
『京鹿子娘道成寺』
いやぁあん!
なんてインパクトの有る『京鹿子娘道成寺』
中村芝翫さんってすご〜〜〜〜く好きな役者さんで、これはおそらく50歳の祝いの舞として披露されたのかもしれない。
中村芝翫さんって楽しいアクセントが好きな方と、癖が嫌いな方とに大きく二分される役者さんみたいなのだけれど、わたくしは前者。
あの口調や表彰がかわいらしいと思う時と憎らしいと思う時と怖いと思う時と…その演目に合わせて演じられ、形がうつくしく見入ってします。
中村芝翫さんがでてこられると、大きく見えて、後光が射す。
花道や中央で躰をそらし、完全なうつくしい形の直角に等辺三角形で、浮世絵のようだ。
浮世絵のよう…というか、この芝翫さんはわたくしの大切な豊国の浮世絵のの女形役者に瓜二つ。
受け口がハプスブルグ家の遺伝のように魅力的で、舞台映えしすばらしい役者さんだ、
それにしても、桜のお似合いになる役者さんだったなぁ。
このお舞台。すばらしい豪華メンバーの役者さんたちが、たいへんお若い。
それもそのはず。
1983年。あれから30年前か…。
鏡をみると時は相当進化をとげたというべきか、或はいい具合???に劣化した自分の顔を容赦なくとらえる。
出演:中村芝翫 十七世中村勘三郎 中村松江(現・魁春) 中村東蔵 中村勘九郎(十八世勘三郎) 中村福助(現・梅玉) 後見:中村児太郎(現・福助)
1983年
69分
カラー
【特別企画〜名優を偲んで〜】 松竹秘蔵の貴重映像から、昭和58年の『京鹿子娘道成寺』をご覧頂く。名人・六代目菊五郎から厳しい薫陶を受けた中村芝翫の品格と風格が漂う端正な芸をご堪能下さい。 春爛漫の道成寺。鐘供養が行われているところへ花子を名乗る白拍子がやって来て鐘を拝みたいと申し出る。所化たちは、法要の舞を舞うのであればと承知して、花子は舞い始めた。しかし艶やかな踊りを披露するうち、やがて花子の形相がみるみる変わり、花子は鐘の中に飛び込んでしまう。実は白拍子とみえたのは、叶わぬ恋の恨みから熊野詣の僧・安珍を焼き殺した清姫の亡霊であった。(1983年/昭和58年11月・歌舞伎座)