59: 『江戸戯画事典』 清水 勲 編著 臨川書店
12コマで仏の道を説く 『一休骸骨』延宝3年(1675)
百面相 『顔づくし落ばなし』
清水 勲 編著
臨川書店
A5判上製・288ページ(図版約400点、口絵カラー2頁)
定価3,990円(本体3,800円)
江戸戯画の世界を漫画史の視点で読み解く
葛飾北斎・歌川国芳・歌川広重・河鍋暁斎ら著名人から、無名絵師の手によるものまで、洒落と諷刺に富んだ総400点超の江戸時代の戯画作品を、鳥羽絵/狂画/草画といった当時の用語と、キャラクター/コマ表現/ナンセンス漫画といった現代の漫画用語で分類・解説する。江戸戯画の世界を漫画史の視点で読み解く、新たな試み。
【目次】
口絵(カラー)/ はしがき
第?部 江戸戯画の世界
戯画本と戯画浮世絵
第?部 江戸戯画―用語からの分類
1、描写精神・画論を説くための用語
2、遊び絵・想像画の戯画風表現に使われる用語
3、冠詞的戯画表現用語
4、接尾語的戯画表現用語
5、笑い絵(戯画春画)
6、近代以降に生まれた江戸戯画用語
第?部 江戸戯画―表現からの分類
1、鳥羽絵の世界
2、江戸の戯画本
3、江戸の戯画キャラクター
4、江戸戯画のコマ表現
5、江戸のナンセンス漫画
6、江戸の鳥獣戯画
7、江戸の諷刺画
江戸戯画史年表/江戸絵師略歴/参考文献/索引
(データーは全て臨川書店公式HPより)
八月初旬から読み始めていた『江戸戯画事典』をようやく読了。
たいへん興味深く楽しめる物であった。
だが、事典と題名にもあるように、中程には用語がずらり、説明がずらりといった具合に並んでいる。
また、図の南房が打ってあるのだが、番号には違う図が載っており、ページを十枚ほどめくると説明に相応する絵が出てくることが度々あった。
これは校正者の問題かもしれない。
事典に対しての図が無い場合ももちろん多い。
以上の様に書いているが、『江戸戯画事典』は大変に楽しい。
今まで阿智他こちらの展覧会で見たことの有る絵が結構多くあることに気づく。
するとその図は本書から飛び出てきて、わたくしの心とてをつなぐ。
幕府を批評したもの、民衆を描いたもの、役者や遊女…
今回感心したのが 鳥羽絵
これはデッサン力は長けているのに、ひょうきんで肩すかしをくわされた間がある。
図に載せられた絵の表現や詞書を丁寧に読み遊んでいると、相当な時間がかかる。
簡単で楽しい本だが、それだけに読了後に満足感が味わえる。
ご興味のおありになられます方は、是非どうぞ☆