近藤好和(國學院大學)「義経・静の史実と伝承」第8回義経・与一・弁慶・静合同サミット
「第8回義経・与一・弁慶・静合同サミットin大和高田」(奈良県大和高田市)
平成25年7月6日(土)
【テーマ】「伝統に由来する芸能と観光」
【プログラム】
●記念講演:講師 近藤好和(國學院大學)テーマ「義経・静の史実と伝承」
●記念公演:「白拍子静の舞」 舞 村山左近 白拍子錦・白拍子清 琵琶:川村旭芳 能管:野中久美子
「那須与一」 琵琶 上原まり
「長唄橋弁慶」 立方 弁慶 花柳寿楽(3代目)、牛若丸 花柳楽彩
さざんかホール(大ホール)
奈良県大和高田市本郷町6番36号
入場無料、申込不要
7月6日
奈良県大和高田市のさざんかホールで、國學院大學 近藤好和氏による「義経・静の史実と伝承」を拝聴する。
弁慶、義経、静とあってはひと言も漏らしたくないと言う思いが大きく、宇宙人の記号のような文字で速記に速記を重ねる。
近藤好和先生は史実からこれらの人物を紐解かれ、大きくうなずく。
【静かでわかっている事といえば、鎌倉にて義経の前で舞った事。ただそれだけです。】
静かにおいての解釈が興味深く、わたくしも含めた会場の一部の方々は賛同し、大きく微笑む。
大和高田市は【白拍子】をPRの一つとして前に大きく押しておられるので、白拍子そのものまでの意味は語られる事は無かった。
いただいたパンフレットの中には白拍子の舞を現在に再現(?)された内容が多くあり、実際には今回の舞台でも【「白拍子静の舞」 舞 村山左近 白拍子錦・白拍子清 琵琶:川村旭芳 能管:野中久美子】っといったものが披露される。
昔貴族の間ではこのように(笑)優雅にもったいをつけて白拍子がまわれ○○したのかと思うと、白拍子について口が裂けても言ってはならないといったような、なんだか妙な気持ちになるが、そこはわたくしとて大人。静!に、見守る。
近藤好和先生の伝承化されるといった事を踏まえた史実に基づいたお話はわたくしの聞きたい部分だった。
奈良に越してきてからというもの、
【竹取りの翁の家はここ、この家です】と真顔でおっしゃる方が多い事に驚く。
『竹の民俗誌』(沖浦和光)などを読んでいても、確かにそういった事を生業にしていた方々が多かったのだろうなと想像出来る。
『竹取物語』はあくまでも物語なので、わたくしは事を荒立てるのも面倒くさい。歴史にさほど関心の無いわたくしゆえ、曖昧に返事する。
よって、近藤好和先生のお話は、奈良に住むわたくしにとっては、炎天下 日陰の無い砂漠地帯でキンキンに冷やした清涼飲料水を一気に飲んだようにスカットした。
弁慶についても語っておられた。
義経は東大寺や興福寺を重用しされていた。
なので、弁慶自体が存在したのではなく寺に住持した人を総称して弁慶と読んだのであろうと…。
ここでも大きくうなずき納得する。
そういった興味深いお話を踏まえた上で、伝説化された弁慶や静御前に憧れを抱き、芝居やお話しに気持ちがときめく。
わたくしの弁慶好きは止まらない。
家に飾った国芳の浮世絵を眺め、幸四郎丈を心に描き、芝居の面白さにのめり込む。
國學院大學 の近藤好和先生のお話はインパクトが強く、納得がいく部分がかなり多い。もっと講義を聴きたいという衝動に駆られる。
なので、ここでは近藤好和先生著作品を記録しておきたい。
今は『方丈記』(三種 印影)『府○○○』(印影)に取り組んでいるのですぐには無理だが、いずれこの先生の本は読みたい。
装束の日本史―平安貴族は何を着ていたのか (平凡社新書 357) [新書]
源義経―後代の佳名を貽す者か (角川選書)
弓矢と刀剣ー中世合戦の実像ー 近藤好和 吉川弘文館
騎兵と歩兵の中世史 近藤好和 吉川弘文館
中世的武具の成立と武士 近藤好和 吉川弘文館
武具の日本史 近藤好和 平凡社新書