Quantcast
Channel: 乱鳥の書きなぐり
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5148

映画『白痴』原作  坂口安吾  4.8/★5   脚本・監督・編集  手塚眞 1999年 浅野忠信 甲田益也子 橋本麗香 草刈正雄  藤村俊二 江波杏子 筒井康隆 原田芳雄

$
0
0

 

 映画『白痴』原作  坂口安吾  4.8/★5    脚本・監督・編集  手塚眞 1999年 浅野忠信 甲田益也子 橋本麗香 草刈正雄  藤村俊二 江波杏子 筒井康隆 原田芳雄

 

 

 ドストエフスキーではなく、坂口安吾原作の映画『白痴』を見た。

 映像の面白い部分と若々しさを感じる部分が混成されている。

 こなれた部分はどこか前衛芸術のようで、懐かしさも感じ、また、うーんとうなるぐらいに素晴らしくうまい部分がある。

 私が4回性の頃は随分アングラ劇団も下火だったが、それwでも、赤テントなどが何とか健在していた。

 この映画はアングラ劇風ではないが、そういった一面を匂わす部分があり、斬新で面白かった。

 また、寺山修司などのカラーが感じられる部分もあり、面白かった。

 こういった試みは現在ではかなり廃れているが、今、現代的中国風の舞台を取り入れ、アングラ風に仕上げると、今一度日本でもヒットするのではないかと思う。

 ただし、この映画は相当面白いにもかかわらず、評価は低い。

 今は、こういった作風は好まれないのか、、、

 

 役者は甲田益也子と草刈正雄の表現が群を抜いていた。

 甲田と浅野の襖を開け閉めする部分は、深いと言えるが、面白かった。

 また押入れの頭なく足が白くぶら下がっている甲田は衝撃的であり、前の場面を受けて深く掘り下げたシーンであった。

 

 草刈りや甲田を見ていると、キ●ガイや白痴と言われる人物が実はまともであり、一般の民衆が狂っているように感じさせた。

 そういった意味で、この二人の存在は大きく感じた。

 

 映画のタイトルが『白痴』というだけに、実は知性的で透明感のある超美人を起用しなければならない。

 その点でも甲田益也子はぴったりなのではないかと感じた。

 

 映画『白痴』は筋書きも面白いが、画面の構図や色彩にも気を使った作品であった。

 こういった作品がもっと大楠作されればいいのだが、と、強く思った。

 

 

原作

坂口安吾

脚本・監督・編集

手塚眞

 

キャスト

浅野忠信 甲田益也子
橋本麗香 草刈正雄

藤村俊二 江波杏子
松岡俊介 あんじ
岡田眞澄 小野みゆき

荒井紀人 川村かおり
筒井康隆 原田芳雄

 

 

あらすじ

いつの時代かわからない戦時中の日本。長く続いた戦争で人々は疲弊しきっていた。テレビ局に勤める伊沢(浅野忠信)は、暴力的な演出家(原田芳雄)や、わがままなアイドル歌手の銀河(橋本麗香)から冷酷な仕打ちを受ける日々だった。ある夜謎の隣人木枯(草刈正雄)の妻サヨ(甲田益也子)が彼の部屋に忍んできた。

サヨは知能に障害があり、伊沢の元へ逃げ込んできたのだった。その日から密かな同棲を始め伊沢だったが、ふたりでいても孤独からは逃れようがない。戦火は次第に街へ迫り、ついに空襲が彼らの家を襲う。伊沢はサヨの手を引いて猛火の中を逃れてゆく…。果たしてふたりに明日の希望はあるのだろうか。

 

 坂口安吾の代表作『白痴』を、ヴィジュアリスト手塚眞が映画化。過去か未来かも分からない、想像の中の日本。そこには半ば日常と化した戦争が続いており、空襲によって町も人々も殺伐とし、荒みきっていた。伊沢は、映画製作の夢を抱きながら、今はテレビ局の演出助手として働いている。場末の路地に住む彼の隣家には夫・木枯と白痴の妻サヨがいた。伊沢は、現場で傍若無人を繰り返すカリスマ的アイドル銀河の画策で身も心も打ちのめされてしまう……。

 

現代に蘇る壮大な命の叙情詩
世界各国の映画祭にて大反響!

映画『白痴』は『ばるぼら』で話題になっている手塚眞監督の代表作。戦後の無頼派坂口安吾の同名小説を映画化し、浅野忠信、草刈正雄らの主演で話題になった作品です。公開20周年を記念してデジタルリマスタリングされ、新たな姿となって10月31日(金)よりシアター・イメージフォーラム、シネ・ヌーヴォ他、劇場に再降臨。

 

 

 みなさま、ありがとうございます。

 今回も見たという簡単な記録のみにて失礼いたします。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 5148

Trending Articles