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『年中行事絵巻』55 【巻八 騎射】 2 中央公論社 小松茂実  日本絵巻大成 

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『年中行事絵巻』55 【巻八 騎射】 2 中央公論社 小松茂実  日本絵巻大成 

 

 

『年中行事絵巻』【巻八 騎射】

 馬場の街中の風景

 【五月の節句】

  家の軒には菖蒲

  賀茂詣での人出賑わう道 

  位女笠

 位女笠とは (goo辞書)

  かぶり笠の一。

  菅 (すげ) などで編み、中央に高く巾子形 (こじがた) という突起を作った笠。

  市女が使用したのでこの名を生じたが、平安中期ごろには上流の女性の外出用となり、男子も雨天のときなどに用いた。

 市女(いちめ)とは (精選版 日本国語大辞典)

 〘名〙 ① 市で物をあきなう女。市に住む女。

     ※宇津保(970‐999頃)藤原の君「とくまちといふ、いちめの富めるあなり」

 

  位女笠を被り、袿(うちぎ)を壺折に着る。

  懸守(かけまもり)や赤い懸帯をつけた女

 

 袿(うちぎ)とは (京都文化博物館)

  袿 うちき は、宮中の女性に用いられてきた 広袖 ひろそで 仕立の衣服です。

 

 壺折 (日本服飾史 https://costume.iz2.or.jp/costume/550.html)

  公家あるいは武家婦人の外出姿。

  つぼというのは衣服をひらかないで、つぼめて着る、即ち外出の時等にからげて着ることをいう。

  下には小袖、単ひとえ、袿うちきを重ね、一番上の袿は、袖を通しながら頭からかづいて着るなどした。

  この袿の仕様は、普通のものにくらべ襟づけ、脇あき等が異なっている。

  赤い懸かけ(掛)帯を胸にかけ物詣でや旅などには、守袋を前にかける。

  市女笠という菅笠を手に持ち、足には緒太(草履)をはく。

  公家の装束は、古代の朝服を源流として平安時代に完成します。

 

 懸守(かけまもり)とは (日本大百科全書(ニッポニカ))

  神仏の御札(おふだ)などを首からかけて身の御守りとする。

  その守り袋をいう。

  キリスト教では十字架や聖像などを首にかけている風はよくみられるが、わが国では神社仏閣で出している御札がおもなもので、身の安全を守るため、安産のため、災厄を免れるためなど目的はいろいろあった。

 

  国内に仏教が行き渡って、女性の月水を穢(けがれ)と称して非常に忌み嫌う思想があった。

  その結果として女性にもまた周囲の人々にもさまざまなタブーができて、日常の生活が複雑になるにしたがってそのタブーが煩わしくなってくる。

  こんな際に寺社はその宗教を背景としてタブーの解説をし、その解決法として月水除(よ)けの御札を発行し、それさえ身につけていれば、従来タブーとされていた行為を免れると説いた。

  つまり、火をたいても、水をくんでも差し支えないというのである。

  女性はそれで解放されるのだから、進んで御守りを受け、小さな袋に入れて身の守りとして首にかけていた。

  寺院から出るものには血盆経(けつぼんきょう)などが印刷されていたので、安産の御守りを兼ねているものが多かったようである。

  この風習は明治時代に入ってからも続いていた。 [丸山久子]

 

 懸帯とは  (世界大百科事典 第2版)

  江戸時代の裳(も)についている帯と,平安時代の社寺参拝などのとき女子が胸から背にかけて垂れ結んだ帯をいう。

  裳は平安時代になって形式的に衣の後ろにつけるようになり,そのひもも装飾化して引腰(ひきごし)などというものもできたが,鎌倉時代以後,裳は平時には用いられなくなり,その着装法にも変化が起こった。

  江戸時代に至って,この裳をつけるのに,唐衣(からぎぬ)と同じきれでこれにししゅうをしたり,あるいは糸の飾りをおいた帯を裳の後ろの腰につけて,これを肩越しに胸にかけてつるようになり,これを裳の懸帯といった。

  

 

 

つづく

 

 

 『年中行事絵巻』六巻 部分  中央公論社 日本絵巻大成8

 

 『年中行事絵巻』八巻 部分  中央公論社 日本絵巻大成8

 

 

 みなさま、いつもあいがとうございます。 


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