『洛中洛外図屏風』とは1 奈良県立美術館 企画展「美術・解体新書 奈良県立美術館所蔵名品展《夏》」 22/7/16(土)~22/8/28(日)
洛中洛外図屏風とは
洛中洛外図(らくちゅうらくがいず)は、京都の市街(洛中)と郊外(洛外)の景観や風俗を描いた屏風絵である。
2点が国宝、5点が重要文化財に指定される(2016年現在)など、文化史的・学術的な価値が高く評価され、美術史や建築史、および都市史や社会史の観点から研究されている。
戦国時代にあたる16世紀初頭から江戸時代にかけて制作された。
現存するものの中で良質なものは30から40点とされる。
屏風
洛中洛外図は、14世紀以降の屏風の定型である六曲一双形式であることが多い。
六曲一双形式
六曲一双形式
構図・景観
洛中洛外図は、
左隻に京都西方面右隻に京都東方面、
鳥瞰図として描かれることが一般的である。
戦国時代の景観を描いたものを初期洛中洛外図と呼ぶ。
右隻
内裏を中心にした下京の町なみや、鴨川、祇園神社、東山方面の名所が描かれる。
左隻
公方御所をはじめとする武家屋敷群
船岡山
北野天満宮などの名所が描かれる。
また、初期洛中洛外図屏風を向かって見ると、
右隻で
上下が東西、
左右が北南
左隻
上下が西東、
左右が南北
こうした初期洛中洛外図屏風の形式は「第一形式」とも呼ばれる。
初期洛中洛外図は、4点が現存する。
江戸時代の洛中洛外図では、右隻に内裏と方広寺大仏殿(京の大仏)、左隻に二条城を描くものが多く、「第二形式」とも呼ばれる。
季節の風物と行事
洛中洛外図は四季絵または月次絵の要素を持っている(特に初期洛中洛外図)。
季節を表す風物や行事が多数描かれ、たとえば、祇園会の山鉾を書き込むものが多い。
初期洛中洛外図では、
右隻
春夏の風物や行事
左隻に
秋冬の風物や行事
これは、五行説に従って四季を東西南北、つまり北に冬(玄冬)、東に春(青春)、南に夏(朱夏)、西に秋(白秋)を配したものと考えられている。
ただし、季節区分には例外も多くある。
洛中洛外図には数千人の人物が描かれており、その人物比定や職業、生活の様子、服飾・髪型などは重要な研究対象になっている。
洛中洛外図のはじまり
三条西実隆の日記である実隆公記の永正3年(1506年)の次の記述が、洛中洛外図に関する最古の文献史料とされている 。
甘露寺中納言来る、越前朝倉屏風を新調す、一双に京中を画く、土佐刑部大輔(光信)新図、尤も珍重の物なり、一見興有り 実隆が、いとこの甘露寺元長から土佐光信作の京都を描いた越前朝倉家発注の「京中」屏風を見せられ、珍しく興味深いものだったという感想を記述していると解釈されている。
当時の越前朝倉家の当主は朝倉貞景で、甘露寺家とは姻戚関係があった。この屏風は現存しない。
初期洛中洛外図
歴博甲本国立歴史民俗博物館 屏風六曲一双 紙本着色各隻: 縦138.0cm、横364.0cm重要文化財
東博模本東京国立博物館 屏風絵の写し 十一幅 紙本淡彩各幅: 縦160.5cm、横62.0cm
模本上杉本米沢市上杉博物館 屏風六曲一双 紙本金地着色各隻: 縦160.6cm、横364.0cm
国宝歴博乙本国立歴史民俗博物館所蔵 屏風六曲一双 紙本金地着色各隻: 縦158.3cm、横364.0cm重要文化財
全国にある洛中洛外図86作品の内奈良県立美術館のもの
江戸前期 奈良県美本 六曲一双 3尺 順+逆 逆 有 祭礼(石曳) 奈良県立美術館
(ウィキペディア引用)
『洛中洛外図屏風』とは1 奈良県立美術館 企画展「美術・解体新書 奈良県立美術館所蔵名品展《夏》」 22/7/16(土)~22/8/28(日) 『洛中洛外図屏風』2 奈良県立美術館 企画展「美術・解体新書 奈良県立美術館所蔵名品展《夏》」 (13景)