『対人関係療法で改善する 夫婦・パートナー関係』 4,9★/5 水島広子著 創元社
水島広子著
創元社
1500円+税
2011年
189ページ
今回で4冊目くらいになるだろうか。
水島広子先生の『対人関係療法で改善する 夫婦・パートナー関係』を読む。
大変参考になる部分が多かった。
記録が滞り気味ですので、今回も読んだという記録だけで失礼いたします。
あなたのパートナーを最大のストレスから最も頼りになる力へ
夫婦・パートナー関係は、
悪くすればストレスのもととなって病気の発症につながり、
うまくいけば病気からの回復を支える力になる。
筆者は豊富な臨床経験から、心の健康を決める重要な因子である
夫婦・パートナー関係に対人関係療法を用いて光を当てる。
現在パートナーとの関係にお悩みの方、今後の参考にしたい方などに。
また、お子さんに問題を感じておられる場合、
自らの夫婦・パートナー関係を振り返ってみるのも重要である。
◎「はじめに」より
私は今まで、対人関係療法を用いてうつ病や摂食障害をはじめとする多くの患者さんを診てまいりましたが、その中でも注目することの多い重要な対人関係の一つが夫婦・パートナー関係です。
そもそも、対人関係療法が開発された際に基盤となったデータの一つに、「人がうつ病になる前に最もよく見られた出来事は夫婦間不和」というものがあります。そして実際に治療の中で夫婦・パートナー関係が焦点となることはとても多く、そのような治療の結果として病気からの力強い回復が起こってきます。つまり、ストレスのもととなり病気の発症につながるという意味でも、また、回復を支える力になるという意味でも、夫婦・パートナー関係は重要なものなのです。本文で詳しく述べますが、それほど、夫婦・パートナー関係は人の心に大きな影響を与えます。
もちろん私たちは家庭内だけで生活をしているわけではなく、むしろそれ以外の生活の時間の方が長い場合が多いのですが、そこでさまざまな体験をしてきた自分の受け皿となるのも夫婦・パートナー関係です。パートナーにどれほど悩みを相談できるか、どれほど愚痴を言えるか、どれほど自分の現状を受け入れてもらえるかが、社会生活から受けるストレスの度合いを最終的に決めると言ってもよいくらいです。
◎目次
第1章 心の健康と夫婦・パートナー関係
第2章 なぜ夫婦・パートナー関係は難しいのか
第3章 夫婦・パートナー関係を考えていくにあたって
第4章 よく見られる「ずれ」のパターン
第5章 よく見られるコミュニケーションのパターン
第6章 パートナーとの「ずれ」を埋める (1)役割期待の調整
第7章 パートナーとの「ずれ」を埋める (2)コミュニケーションの工夫
第8章 パートナーの過去をどう考えるか
第9章 周りの人たちとの関わり
第10章 心の病が夫婦・パートナー関係に与える影響
第11章 夫婦・パートナー関係が子どもに与える影響
第12章 別れが必要なとき
終章 夫婦・パートナー関係から力を得るために