『江戸の瓦版~庶民を熱狂させたメディアの正体』 4,7★/5 森田 健司 (著) 洋泉社 歴史新書y
『江戸の瓦版~庶民を熱狂させたメディアの正体』を時間をかけて楽しむ。
瓦版そのものは写真が小さく、字が読めない図が多かっったのが、残念。
これまでにもこういった内容の本は何度か読んだことがあるが、私にとっては大変興味深い内容で、丁寧に読み込んだ。
参考文献を見ると宮田登氏や小松氏や江戸云々の多くの本が取り上げられ、懐かしい気がした。
多くの項目が私の興味に沿っていて、繰り返し前戻って 二,三度は呼んだので、本が開いてしまった。
以前大型本で風刺錦絵などを多く取り上げ解説された本を読んだことがある。
残念なことにタイトルを忘れてしまった。
その本を再読したいが、本書『江戸の瓦版~庶民を熱狂させたメディアの正体』はその気持ちをさらぬ書き立ててくれた。
この本は、私にとっては面白かった。
瓦版や江戸時代に興味を持たれる方にはオススメの一冊だと感じます。
今回も読んだという簡単な記録だけで失礼致します。
江戸の瓦版~庶民を熱狂させたメディアの正体
森田 健司 (著)
洋泉社
歴史新書y)
新書 –
2017年
221ページ
1000円+税
データーベースより
目次
第1部 瓦版とは何か(江戸庶民に愛された瓦版)
第2部 瓦版を読む(驚天動地「黒船」がやってきた;熱狂「敵討」の瓦版;この世の終わりか「安政江戸地震」;まだまだある江戸時代の大事件;泣き笑い 終わりゆく江戸時代)
心中、敵討、火事、地震――実物の瓦版(かわらばん)を材料に、
庶民の好奇心に応えた〝非合法出版物〟の魅力に迫る!
◎世の中の常識
「瓦版(かわらばん)売り」は、テレビや映画の時代劇ではお馴染みの配役である。
人が多く集まる場所を狙って、現代の新聞の「号外」のように、
江戸市中の事件の真相を知らせるために小額で頒布されていた。
◎本書の核心
読売(売り子)は、ただ瓦版を抱えて売っていたわけではない。
顔を隠し(非合法のため)、時には三味線の伴奏をともなう「肉声をもったメディア」でもあった。
これが江戸庶民を夢中にさせ、怪しげな読売は明治に入っても街角に生き続けた。
森田 健司
1974年兵庫県神戸市生まれ。京都大学経済学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(人間・環境学)。現在、大阪学院大学経済学部教授。 専門は社会思想史。特に、江戸時代の庶民文化・思想の研究に注力している。著書に『奇妙な瓦版の世界』(青幻舎)、『江戸暮らしの内側』(中公新書ラクレ)、『現代語訳 墨夷応接録』(編訳・校註・解説/作品社)、『西郷隆盛の幻影』、『江戸の瓦版』、『明治維新という幻想』(洋泉社)、『石門心学と近代』(八千代出版)、『石田梅岩』(かもがわ出版)、『なぜ名経営者は石田梅岩に学ぶのか?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『かわら版で読み解く江戸の大事件』、『外国人が見た幕末・明治の日本』(彩図社)などがある