映画『華の乱』4,4★/5 1988年 監督 深作欣二 吉永小百合 松田優作 石田えり 風間杜夫 松坂慶子(特別出演) 緒形拳
何度か見て、覚えている台詞部分が多々ある映画『華の乱』を見た。
吉永の与謝野晶子と緒方の与謝野寛は適役。
二人の配役に楽しく見ることができた。
伊藤野枝も無難なところであろう。
与謝野寛の元妻役の西川峰子は、少々下品さを表に出し、彼女が適役であったに違いない。
有島武郎役は松田優作。
声が聞き取れぬ部分があり、少々悶々とした。
松田優作が暗いからといって、あるいは人気があったから(?)といって有島武郎の良い二鳥大金持ちであり作家でインテリ役に彼を起用するのはどうかと感じた。
この役に狭間風間杜夫がが陰影を醸し出して演じれば適役だったのではなかろうかと残念に思う。
風間の大杉栄は好感は持てたが、情熱は低めでおとなしい目の大杉栄に仕上がっていた。
学生時代講義で大杉栄について聴講し、その後何冊か読んだことがあるが、大杉栄という人物は非常に情熱的で影をも消す勢いの人物という印象が残っている。
伊藤野枝 に求婚するときのエピソードはここでは割愛したいが、女性の私が聞いても顔を赤らめながらも好意的なプロポーズの仕方だと感じている。
石田えり演ずる伊藤野枝は私のイメージの伊藤萌であり、感心した。
松坂慶子の松井須磨子は堂々の迫力で、島村抱月が亡くなりホールで嘆き悲しむシーンなどは上等の舞台を見ている等で、息を飲んで食い入って見ていた。
一通りの演技が終わり、松井須磨子が倒れ込んだ時点で、内容とは裏腹に松坂慶子のオーバージェスチャーな芝居長の演技に、心より拍手を送りたい気分になっていた。
今回も簡単な見たという記録だけで失礼致します。
監督 深作欣二
脚本 深作欣二 筒井ともみ 神波史男
出演者 吉永小百合 松田優作 石田えり 風間杜夫 松坂慶子(特別出演) 緒形拳
1988年
『華の乱』(はなのらん)は、1988年に公開された東映配給の日本映画。
永畑道子の小説『華の乱』『夢のかけ橋』を原作とし、深作欣二が撮った劇映画。
原作に倣い、主人公・与謝野晶子の視点から大正時代の社会運動、芸術運動の群像を描いている。