能楽『歌占』 東大寺 鏡池
映画『薄化粧』原題:Tracked 4,1★/5 監督 五社英雄 脚本 古田求 原作 西村望 緒形拳 他
学生時代緒形拳の演じ方が好きだったので、今一度緒形拳の作品を見たいと思い、『薄化粧』を見た。
これが、私が好きであった緒形拳だったのかと、感動した。
逃亡する際に眉毛を描いて変装する場面があるが、緒方は眉を引いただけで、顔がキリリと引き締まり、驚くばかりに返信する。
女、女、女で身を滅ぼすが、怖い顔に先に人ほころぶ笑顔は、悪の美学といえよう。
この悪の美学と感じられる男は、歌舞伎にも多く出てくる。
『仮名手本忠臣蔵』にも、そんな男性は何人か出てくる。
映画『薄化粧』の男は、悪の美学を感じさせる男として 斧定九郎(おのさだくろう)を思い浮かばせ、また
「色にふけったばっかりにいぃ〜。」
と切腹する場面と最後のホームで刑事に追い詰めたれる場面とが重複し、寛平の切腹場面を思い浮かべた私である。
だが、この作品は事実に基づいて作られたという。
緒形拳が演じていたので悪の美学などと言っていられるが、実際の人物は、何人も人を今年た関わりたくない人物であり、モッサイして救いようがない人物であったかもしれない。
緒方の演技に乾杯。
今回も映画が面白かったので、続けて日本の少し古い映画を見たいなという気持ちが生じています。
今回も見たという簡単な記録だけで失礼致します。
1985年製作/124分/日本
原題:Tracked
配給:松竹
監督 五社英雄 脚本 古田求 原作 西村望
緒形拳坂根藤吉緒形拳 浅利香津代坂根ふくみ浅利香津代 川谷拓三真壁一郎川谷拓三 大村崑松井捨蔵大村崑 浅野温子地所テル子浅野温子 松本伊代仙波弘子松本伊代 宮下順子仙波すゑ宮下順子 竹中直人氏家正肋竹中直人 花沢徳衛渡辺鉄治花沢徳衛 柳沢慎吾明賀英之柳沢慎吾 小林稔侍森谷小林稔侍 菅井きんとよ菅井きん 萩原流行立石萩原流行 笑福亭松鶴(6代目)上瀧笑福亭松鶴(6代目) 藤真利子内藤ちえ藤真利子
実際の事件に基づいて書かれた西村望の同名小説を、古田求が脚色し五社英雄が監督。妻子と愛人を殺し逮捕され脱獄・逃亡する藤吉を、緒形拳が熱演している。 事故で夫を亡くした未亡人のテル子と関係を持った藤吉は、邪魔になった妻と一人息子を殺してしまった。さらに藤吉は金を貸したことを理由に人妻のすゑと肉体関係を持ち、その娘の弘子にまで手を出そうとする。弘子は藤吉から金を巻き上げ、そのまま他の男と結婚してしまった。藤吉は弘子の家にダイナマイトを仕掛け、家族もろとも吹き飛ばす。逮捕された藤吉は爆破事件とともに、妻子の殺人も自供し拘置所に送られる。その後、藤吉は刑務所を脱走し、逃亡の日々を送るのだった。