映画『夜叉ヶ池』 3,2★/5 泉鏡花原作(戯曲) 監督:篠田正浩 坂東玉三郎 加藤剛 山崎努 他
坂東玉三郎出演の映画『夜叉ヶ池』を一度見ておこうと思い、見る。
はじめに岐阜県の奥深い藁葺(わらぶき)屋根に、さりげなく籠目が乗せられた(村人の厄除け)場面から始まるこの映画。
民俗学ムンムンで始まるが、すぐにありきたりな伝承が流される。
坂東玉三郎が透き通った美しい魔物的存在にあらねばならぬ。
だが、いかにせん、眩いほどに美しい 加藤剛には勝てぬとあって、二役をしたまでした玉三郎の撮影をもう少しぼかしたり丁寧に編集すべきであったと感じた。
山崎努の最後はダイナミック場面で幕を閉じる。
イグアスの滝など海外でのロケも行われたらしいが、俊寛的な心情の揺れ動きや村消失による落胆といった部分での表現にはかける。
おそらく松竹株式会社は100周年の記念として玉三郎を起用し、当時の金で2億円もかけ、ダイナミックな作品を作りたかったのだと感じた。
歌舞伎が好きな人間にとっては、一度押さえておいても損はない映画ではあるが、作品としても面白みにはかけるものであると感じた。
失礼があればお許しください。
今回もネタバレなしの簡単な記録のみで失礼致します。
以下 ウィキペディアより引用
泉鏡花原作の戯曲『夜叉ヶ池』を映画化
監督 篠田正浩。
女形の坂東玉三郎がヒロインと夜叉ヶ池の主・白雪姫の二役を演じた。
しかし、劇場公開後はテレビ朝日系の「ゴールデンワイド劇場」で1回放送(1981年11月2日放送)されただけで、それ以降一部の権利者がソフト化を拒否する等、権利関係の調整が難航しているため、DVD発売等の二次利用の見通しは立っていない幻の映画(封印作品)となっていた。
2020年に篠田と坂東が再会、現代を生きる人々に観てもらいたいという思いが一致したことで、2人の全面協力による監修のもと音や映像のきめ細やかな修復作業を何度となく行い、4Kデジタルリマスター版が完成、2021年3月にCSの衛星劇場で篠田の生誕90年を記念しての2K放送を皮切りに、今夏に篠田監督特集上映として東京・ユーロスペースでジャパンプレミア上映されることが決定した。
その後、全国で順次公開を予定しているほか、同時期にはブルーレイが発売される予定である。
松竹は本作の特撮のために2億円の予算を投じ、東映の矢島信男率いる特撮研究所のスタッフを招き松竹大船撮影所の第8ステージに波起こし装置を2基設置して洪水シーンを撮影するなど、大掛かりな特撮が用いられた。
ハワイやブラジルのイグアスの滝など海外でのロケも行われた。
スタッフ
監督:篠田正浩
坂東玉三郎 加藤剛 山崎努
製作:杉崎重美、富沢幸男、中川完治
脚本:田村孟、三村晴彦
撮影:小杉正雄、坂本典隆 音楽:冨田勲
使用曲 クロード・ドビュッシー:『沈める寺』、『雪の上の足跡』(以上、『前奏曲』より)、『ゴリウォーグのケークウォーク』(『子供の領分』より)
モデスト・ムソルグスキー:『禿山の一夜』、『展覧会の絵』 ※冨田のシンセサイザー演奏による。
美術:粟津潔、朝倉摂、横山豊
特撮監督:矢島信男