タイル絵 イラン
『異邦人 』カミュ著 窪田啓作翻訳
異邦人
新潮文庫
昭和26年発行
平成26年128刷改正
460円+消費税
1963/7/2
アルベール・カミュ (著),
窪田 啓作 (翻訳)
「きょう、ママンが死んだ。」
から始まる。
この言葉は、あまりにも印象的で、読者の心を鷲掴みにする。
経済的物理的理由から、実母を養護施設に入れ、避難を浴びる。
ムルソーが【太陽のせい】だとして、アラビア人殺害理由を述べる。
裁判では、ムルソー以外のほぼ全員が団扇をあげる。
一般的な基準から外れているムルソーの言い分は、傍聴人は嘲笑を仰ぎ、印象深い。
一般の民と、異邦人との感覚の隔たり。
そこには、感覚の交わりはなく、一般人には理解は不可能である。
感覚的理解の不可能による、罪の確定はをカミュは描き、その感覚は現在にも通じ、恐ろしく感じる。
しかし、当の本人のムルソーは、死刑が確定しても、心は安らぎ平穏であった。
今回も読んだという簡単な記録のみにて、失礼いたします。
以下 新潮社より ▼
私ははじめて、世界の優しい無関心に、心をひらいた。
太陽の眩しさを理由にアラビア人を殺し、死刑判決を受けたのちも幸福であると確信する主人公ムルソー。不条理をテーマにした、著者の代表作。
母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、理性や人間性の不合理を追求したカミュの代表作。
以下 ウィキペディア ▼
『異邦人』(いほうじん、仏: L'Étranger)は、アルベール・カミュの小説。1942年刊。人間社会に存在する不条理について書かれている。カミュの代表作の一つとして数えられる。1957年、カミュが43歳でノーベル文学賞を受賞したのは、この作品によるところが大きいと言われる。 日本語訳としては、新潮文庫版の窪田啓作訳が広く知られ、冒頭1行目の「きょう、ママンが死んだ。」という訳も有名である。