16: 『完訳 グリム童話 1』岩波文庫
ヤーコプ・グリム ヴィルヘルム・グリム 金田鬼一訳
第一巻「靴はき猫」338ページ
1979年07月
著者/編集: ヤーコプ・グリム
ヴィルヘルム・グリム
金田鬼一 訳
金田 鬼一(かねだ きいち、1886年12月10日 - 1963年11月1日)は日本のドイツ文学者、翻訳家。日本にグリム童話を紹介し、NHKラジオドイツ語講座の講師をも担当した。
帝室博物館職員の息子として東京に生まれる。京華中学校から第一高等学校を経て、東京帝国大学文学部独文科卒業。その後ドイツ留学中、第一次大戦勃発のため留学期間を短縮して帰国。 第四高等学校教授の後、学習院高等科教授となり、成蹊高等学校(1939 - 42年)などでも講師を務めた。(ウィキペディアより)
完訳 グリム童話 1−5
岩波書店
岩波文庫
386p 800円
第50刷(2008年)
目次
1 蛙の王さま(一名)鉄のハインリヒ<HEM 1>
1イ 蛙の王子
2 猫とねずみとお友だち<HEM 2>
3 マリアの子ども<HEM 3>
4 こわがることをおぼえるために旅にでかけた男の話<HEM 4>
5 狼と七ひきの子やぎ<HEM 5>
6 忠臣ヨハネス<HEM 6>
7 夜うぐいすとめくらとかげの話
8 うまい商売<HEM 7>
9 奇妙な楽人<HEM 8>
10 ほうちょうをもった手
11 十二人兄弟<HEM 9>
12 ならずもの<HEM 10>
13 兄と妹<HEM 11>
14 野ぢしゃ(ラプンツェル)<HEM 12>
15 森のなかの三人一寸ぼうし<HEM 13>
16 糸くり三人おんな<HEM 14>
17 ヘンゼルグレーテル<HEM 15>
18 三まいの蛇の葉<HEM 16>
19 白へび<HEM 17>
20 わらと炭とそらまめ<HEM 18>
21 漁夫とその妻の話<HEM 19>
22 いさましいちびっこのしたてやさん<HEM 20>
23 灰かぶり<HEM 21>
24 なぞなぞ<HEM 22>
25 子どもたちが賭殺ごっこをした話
26 はつかねずみと小鳥と腸づめの話<HEM 23>
27 ホレのおばさん<HEM 24>
28 七羽のからす<HEM 25>
29 赤ずきん<HEM 26>
30 ブレーメンのおかかえ楽隊<HEM 27>
31 死神とがちょうの番人
32 唄をうたう骨<HEM 28>
33 黄金の毛が三ぼんはえている鬼<HEM 29>
34 しらみとのみ<HEM 30>
35 手なしむすめ<HEM 31>
36 ものわかりのいいハンス<HEM 32>
37 三いろの言葉<HEM 33>
38 靴はき猫
39 ちえ者エルゼ<HEM 34>
40 天国へ行ったしたてやさん<HEM 35>
41 おぜんや御飯のしたくと金貨をうむ驢馬と相棒ふくろからでろ<HEM 36>
41イ おぜんと驢馬とこん棒
42 おやゆびこぞう<HEM 37>
先日読んだ『ベスト・セレクション 初版 グリム童話』(白水社 グリム兄弟 吉原 高志・吉原 素子 (翻訳))が面白かったので、今回は岩波文庫『完訳 グリム童話 1』を読む。
一日中本書を開けていたが、丸二日の時間を要した。
何度も読んでいるグリム童話だが、訳者によって口調が違ったり解釈が違い、面白いなと感心する部分は多い。
金田鬼一訳のグリム童話は古い言い回しが度々使われ、本当におじいちゃまに読んでいただいている気分を味わえる。また芝居調の言い回しが多く、多少歌舞伎の好きなわたくしの心は高鳴る。
中には演じられるなら先日お亡くなりになった中村勘三郎さんしかないのではないかと思われる言葉内容の話も二、三あり。
また、歌舞伎役者の俳優際のお芝居にアレンジすれば面白いかなと思う話もあった。
本書はじめにはグリム童話の定義が詳しくのべられている。
また、山東京伝『異制庭訓』(いせいていきん)にある「祖父祖母之物語」(じじばばのものがたり)にも触れられ、金田鬼一さんの話の面白さに興味を持った。
山東 京伝(さんとう きょうでん、宝暦11年8月15日(1761年9月13日) - 文化13年9月7日(1816年10月27日)は江戸時代の浮世絵師、戯作者。本名は岩瀬醒(さむる)。一説に排田または灰田。狂歌名を身軽折輔と号した。幼名は甚太郎。通称は京屋伝蔵または田蔵。字は伯慶。後に酉星(有儕)。山東庵、山東窟、山東軒、珊洞散士、鼯鼠翁、臍下逸人、洛橋陳人、甘谷、菊亭、菊軒、菊花亭と号す。父は岩瀬伝左衛門。合巻作者の山東京山は実弟。黄表紙・狂歌作者の黒鳶式部(実名よね)は実妹。
寛政の改革で手鎖の処罰を受けたことで知られる。(ウィキペディアより)
流石にヨーロッパ(ドイツ)のはなしとあって、ヨーロッパ絵画との共通点が見られる。
王子等が森の中等で出会った物理的に何らかの多少不自由な美しい女の子と出会い城へ連れ帰って寵愛するといった話は多い。洋画の中でも宮殿等でそういった方達に美しい衣服を着せてかわいがるといった文化が盛んだったことが見て取れる。これ考えると、納得がいく。童話では後に結婚といったハッピーエンドを迎えることが多い。
日本の昔話も同様だが、童話の結びの決まり文句というのがある。 (172ページ)
はつかねずみがやってきた。おはなしはおしまい
うたはおしまい。あそこでねずみがはねている
お話はおしまい。あそこのねずみがあるいている。まっかなおべべをきているよ。さあさあ、おつぎのおはなしが、はじまり!はいまり!
これでおしまい
あたしのおはなしはこれでおしまい
壷はからっぽ
うたはおしまい。おどりはおしまい。ねえちゃん、お花をもってきて、おいらにはなわをあんどくれ
口承文芸や昔話って面白いですね(*^D^*)
あたしのおはなしはこれでおしまい…