東大寺
『パイドン』 28 プラトン著(S「肉体からの分離に際して魂は引き裂かれ、風によって吹き飛ばされて飛び去ってしまい、もう何もどこにも存在しないのではないかと恐れる事はないのだ。」)
プラトン著『パイドン』 P.86-88
(四)魂とイデアの親近性による証明 (要約)
B 我々はできるだけ自分自身の魂を肉体との交わりから浄め、魂自身となるように努めなければならない。
ソクラテス
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学びを愛すると呼ばれるに値する人々は端正な勇敢なのだ。
多くの日呼びよがいうような事柄ではない、
それとも君(ケベス)はそう思うかね?
ケベス
私はけしてそんな事柄のためではないと思います。
ソクラテス
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哲学者の魂ならば、我々がこれまでに述べてきたように考察するであろう。
一方、哲学が魂を解放するはずであるのに、他方では自ら進んで自分自身の快楽や苦痛にひきわたし、再び自分自身を縛りつけて、機(はた)を反対に司るペレロペイアのように、無益な仕事を再現なく繰り返そうとは思わないだろう。
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ソクラテス
シミアスとケベス、何も恐れることはないのだ。
肉体からの分離に際して、魂はバラバラに引き裂かれ、風によって吹き飛ばされて飛び去ってしまい、もう何もどこにも存在しないのではないか、と恐れることはないのだ。
ペレロペイア (以前にも調べたが、もう一度^^)
ギリシア神話の英雄オデュッセウスの妻。
ペネロペともいう。
スパルタ王ティンダレオスの娘ヘレネ(実の父はゼウス)の従姉妹(いとこ)にあたり、西洋文学の伝統のなかでは貞女の代名詞とされる。
オデュッセウスは、ギリシア中からヘレネの求婚者が集まって収拾もつかなかったとき、ヘレネとメネラオスの結婚を円満に実現させ、その功によりペネロペイアとの結婚を許される。
2人の間にはテレマコスが生まれる。
ペネロペイアは、オデュッセウスが出征してからトロヤが陥落するまでの10年間、さらに彼がトロヤからの帰国途上で海上を漂泊する10年もの間、イタカ島で夫の留守を守った。
そして近隣から彼女に再婚を求めて若い求婚者どもが押し寄せ、日夜宴会を開いて家産を食いつぶすのにも耐え、夫の帰国を確信していた。
ことに、舅(しゅうと)の経帷子(きょうかたびら)を織り終えるまでは再婚できないとして、昼間に織ったものを夜中にこっそりとほどいては、長年にわたり求婚者たちの要求をそらしていたというエピソードは有名である。
しかしその策略も見破られ、ついに彼女は、オデュッセウスが家に残した強弓を引きえた者と再婚すると宣言し、弓競技を催すが、ちょうどそのときオデュッセウスが帰還して、無法な求婚者どもを射殺す。
これがホメロスの『オデュッセイア』に歌われたペネロペイア像であるが、後代には、ペネロペイアはすべての求婚者と交わったとする奇妙な伝承もつくられている。 [中務哲郎](ニッポニア)
『パイドン』魂の不死について
プラトン著
岩田靖夫訳
岩波文庫 青602-2
他 Wikipediaなど
『パイドン』 1 プラトン著 (言葉memo 『パイドン』/ 「ピタゴラス派哲学者ピロラオス」/ 「ピタゴラス派」) 『パイドン』 2 プラトン著 (『パイドン』の登場人物) 『パイドン』 3 プラトン著 (言葉memo 「想起説」/ 「イデア論」/ 「カタルシス」) 『パイドン』 4 プラトン著 (『パイドン』におけるソクラテス像(超禁欲)と伝わる実像(禁欲主義者及び大酒豪、エロスといった快楽主義者)) 『パイドン』 5 プラトン著 (パイドンとソクラテス / シミアスとケベス 対 ソクラテス / ピタゴラス派、ピタゴラス、ピタゴラス学派) 『パイドン』 6 プラトン著 (激しい問と答の激突は、この対話篇において、プラトンがいかに歴史的なソクラテスの生きた対話の有様の再現を意図したかを雄弁に物語る。) 『パイドン』 7 プラトン著 (『ゴルギアス』「いかに生きるべきか」「どんなに人が幸福であり、どんなに人が不幸であるかを知ることである。」「正義とは何であるか」) 『パイドン』 8 プラトン著 (ソクラテスの求めていたもの、、、、、プラトンのイデア論が成立する。 / 言葉memo イデア論(初期、中期、後期)) 『パイドン』 9 プラトン著 (『パイドン』のソクラテスと歴史的ソクラテスの差異がある(多くの研究者)) 『パイドン』 10 プラトン著 (『パイドン』「序曲」 「序曲」では 物語は、エケクラテスとパイドンの会話から始まります。 / 言葉memo 「エケクラテス」) 『パイドン』 11 プラトン著(エケクラテス「裁判は遥か以前に終わったのに、彼が亡くなられたのは随分後なのはどうしてか?」パイドン「アテナイ人の伝説(ミーノータウロスの退治)による」) 『パイドン』 12 プラトン著(エケクラテス「亡くなられた時のことを云々」パイドン「ソクラテスは、態度においても言葉においても幸福そうに見えました。恐れなき高貴な最後であったことでしょう。」) 『パイドン』 13 プラトン著(クリトン「君に毒薬を与える役目の男が、できるだけ話し合いをしないよう、君に告げてく。と、先ほどから僕に言っているんだ。」) 『パイドン』 14 プラトン著(ソクラテス「哲学者は死を恐れない。死とは魂と肉体の分離であり、哲学者は魂そのものになること、すなわち、死ぬことの練習をしているものであるのだから。」) 『パイドン』 15 プラトン著(ソクラテス「肉体は、愛欲、欲望、恐怖、妄想、数々のたわごとで我々を満たし云々。探求の最中で再び肉体に出現し、騒ぎと混乱を引き起こし、我々を脅して正気を失わせる。」) 『パイドン』 16 プラトン著(ソクラテス「ある種の放縦によって節度があるのではないか。快楽によって支配されることを、人々は放銃とよんでいる。」) 『パイドン』 17 プラトン著(ケベスの反論。「魂は肉体から離れると、煙のように消滅するのではないか。」) 『パイドン』 18 プラトン著(ソクラテスの『霊魂不滅の証明』の話は次々と展開していく。シミアス「・・・もう充分に証明されました。」) 『パイドン』 19 プラトン著(話は続く。ケベス 「ですがあなたさえ良ければ我々の話が中断したところへ、もう一度戻りませんか?」S「勿論」K「よく言って下さいました」) 『パイドン』 20 プラトン著(魂とイデアの親近性による証明 合成的なものは解体し、非合成的なものは、解体しない。内体は合成的であるが、魂は非合成的である。) 『パイドン』 21 プラトン著(魂とイデアの親近性による証明 ソクラテス「魂は肉体よりも不可視なものに似ているので喘い、他方肉体は目に見えるものにより似ているのだ。」) 『パイドン』 22 プラトン著(魂とイデアの親近性による証明 ケベス「魂は精神的なもの、肉体は死すべきものに似ています。」) 『パイドン』 23 プラトン著(我々はできるだけ自分自身の魂を肉体との交わりから浄め、魂自信となるように努めなければならない。) 『パイドン』 24 プラトン著(ソクラテス「(魂は)絶えず肉体と共にあり、肉体に習熟したためではないか。」ケベス「全くです。」ソクラテスの『魂』の話は長く続く。) 『パイドン』 25 プラトン著(ソクラテス「本当の哲学者はすべての肉体の欲望を避け、男らしく忍耐し、自分の欲望を委ねることをしないのだ。」ケベス「全くです。」) 『パイドン』 26 プラトン著(S「魂はひどい無知の中で転げ回っている。この牢獄の恐ろしい点は縛られている者自信が縛られている事の最大協力者である様に牢獄が欲望により成立している点」) 『パイドン』 27 プラトン著(ケベス「最大にして究極の悪とは、何でしょうか」S「魂は、肉体と同じ性質を帯び、同じ養分によって育てられることにならざるをえない。」) 『パイドン』 28 プラトン著(S「肉体からの分離に際して魂は引き裂かれ、風によって吹き飛ばされて飛び去ってしまい、もう何もどこにも存在しないのではないかと恐れる事はないのだ。」)