『パイドン』 20 プラトン著(魂とイデアの親近性による証明 合成的なものは解体し、非合成的なものは、解体しない。内体は合成的であるが、魂は非合成的である。)
プラトン著『パイドン』 P.71-78 (四)
(四)魂とイデアの親近性による証明 (要約)
A 合成的なものは解体し、非合成的なものは、解体しない。
内体は合成的であるが、魂は非合成的である。
自然的に合成物であるもの
人工品
合成されてできたもの
自然的に合成物であるもの
動物や樹木のような自然的合成物
ソクラテス
非合成的であるならば、他のものはいざ知らず、このものだけが分解されないことは、相応しいだろう。
ケベス
そう思います。
ソクラテス
自己同一を保たれないものが、合成的であるとするのが、適切だろうね。
ケベス
そう思います。
ソクラテス
自己同一を保つのか、『等しさそのもの』『美そのもの』云々。
ソクラテス
いかなる変化にせよ、変化なるものを受け入れることは、ないね。云々
ケベス
そうです。自己同一を保つことが必然です。ソクラテス
ソクラテス
それでは美しいものについてはどうか。云々
ソクラテス
自分自身に対しても相互の間でもいかなる時にもいわば決して同じあり方をたもつこはないのか。
ケベス
その通りです。
同じあり方を保ちません。
ソクラテス
その事物について、君は触れることもできるし目で見ることもできる。云々
ソクラテス
これらは不可視であり、目に見えるものではない。
ケベス
あなたの仰ることは、真実です。
不可視
肉眼で見ることができないこと。
『パイドン』魂の不死について
プラトン著
岩田靖夫訳
岩波文庫 青602-2
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