アラン『定義集』9 「哲学 philosophie」(ほとんど全ての善が、またほとんど全ての欲望が空しいと考えることによって、失望や屈辱に対して自らに警戒をうながす魂の按排である。)
アラン『定義集』 P、127より抜粋
哲学 philosophie
ほとんど全ての善が、またほとんど全ての欲望が空しいと考えることによって、失望や屈辱に対して自らに警戒をうながす魂の按排である。
哲学者が目指しているのは、自然的で自分に嘘をつかないものだけを感じとることである。
哲学者の欠点は、非難する傾向が強いこと、そして会議を特に好むことだ。
アラン『定義集』
モーリス・サヴァン刊行
神谷幹夫 翻訳
岩波文庫
青656-4
訳者 神谷幹夫
北星学園大学・文学部・教授
アラン『定義集』1 (フランス国立図書館にある木箱の中に、アランの手稿の264枚のカードがある 訳者覚書より) アラン『定義集』2 (言表の単純な厳密さによって静謐な徳、イデオロギーとは無関係の、論争では得られない徳、即ち全ての真の省察の原型であり、源泉である徳を、獲得している。) アラン『定義集』3 (アランはいう、…哲学者が目指しているものは、自然的で自分に嘘をつかないものだけを感じ取ることである。哲学者の欠点は、避難する傾向が強いこと、そして懐疑を解くことを好むことだ。) アラン『定義集』4 「文明 civilisation」(他のところではよく吟味もされず、特に驚きもなく受け入れられている実践を、不可能にする。例えば、奴隷制、子どもの去勢、拷問、魔法使いの処刑。) アラン『定義集』5 「平等 égalité」(平等は一つの法的支配の状況であって、窃盗、権力の濫用、侮辱などの不平等の結果を裁かなければならない時、力の比較を排除するもの) アラン『定義集』6 「エゴイズム égoisme」(身体の境目と結びついた思考であり、快楽を選び量るように、苦しみや病気の予見を遠ざけることに専念した思考) アラン『定義集』7 「寓話 Fable」(人の心を傷つけないで、ちょっと厳しい真理を理解させようとする、素朴な形式の説話) アラン『定義集』8 「論理 logique」 説明(経験論/ アリストテレス/ 論理学/ デカルト/ カント/ 超越論的論理/ ベーコンとは?) アラン『定義集』9 「哲学 philosophie」(ほとんど全ての善が、またほとんど全ての欲望が空しいと考えることによって、失望や屈辱に対して自らに警戒をうながす魂の按排である。)