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『ソクラテスの弁明 クリトン』19 ソクラテス(いきと力が続く限り、知恵を愛求したり、諸君に忠告したり、諸君の中のいかなる人に逢っても指摘しつつ話すことをやめないであろう。)

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 『ソクラテスの弁明 クリトン』19 ソクラテス(いきと力が続く限り、知恵を愛求したり、諸君に忠告したり、諸君の中のいかなる人に逢っても指摘しつつ話すことをやめないであろう。)

 

 

 (『ソクラテスの弁明 クリトン』P.36、37から 抜萃)

 

 ・・・・・・・・。

 私は神託に従うことを拒み、死を懼れ、従ってまた自ら賢ならずして賢人顔するが故に、神を信ぜぬ者ということになるからである。

 なぜならば死を恐れるのは、自ら賢ならずして賢人を気取ることに外ならないからである。

 しかもそれは自ら知らざることを信ずることである。

 ・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・。

 アニュストの意見に聴従することを拒否するとしても、ーーもし諸君がこの言葉に対して

「ソクラテスよ、私達は、今回は、アニュストの意見の意見を聴かずに、お前を放免しようと思う。しかし、それには、条件がある。お前は今後あのような人間吟味に従事せず、知恵の愛求に努めることをやめなければ貼らない。もしこれに反してお前が今後もそれをやっている現場で捉まったら、その時、お前を殺さねばならない。」

 ・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・。

 上の言葉に対して、ソクラテスは、

「アテナイ人諸君よ、私は諸君を尊重し、かつ親愛する者であるが、しかし諸君に従うよりもむしろいっそう多く神に従うであろう。・・・・・・・・。いきと力が続く限り、知恵を愛求したり、諸君に忠告したり、諸君の中のいかなる人に逢っても次のように指摘しつつ話すことをやめないであろう。」

   ↓

『好(よ)きともよ、アテナイ神でありながら、最も偉大にして、かつその知恵と偉力との故に、その名最も、高き市の民でありながら、出来得る限り大量の蓄財や、また名聞や栄誉のことのみを念じて、かえって、智見や真理やまた、自分の霊魂をできる限り善くすることなどについては、少しも気にかけず、心に用いもせぬことを、君は恥辱と思わないのか。』

 

 

アニュスト(アニュスト一派)

懼れる(おそれる)

 

 

参考

『ソクラテスの弁明 クリトン』

  プラトン  著

  久保 勉  翻訳

  岩波文庫 青601-1

 ウィキペディア

 

 

 

 


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