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『ギリシア神話』8  デーメーテールとペルセポネー   柘榴

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『ギリシア神話』8  デーメーテールとペルセポネー   柘榴

 

『ギリシア神話』(高津春繁著 岩波文庫)によれば

デーメーテールとペルセポネー

 ローマでは、ケレースとプロセルピナと呼ばれている。

 

デーメーテール

 穀物と大地の生産物の女神

ペルセポネー

 デーメーテールの娘

二柱の女神

 デーメーテールとペルセポネー

 

 女神が天井に帰らないので、大地は実らない。

 ゼウスはペルセポネー(デーメーテールの娘)を返すようにハーデースに命令、

 彼女(ペルセポネー)は柘榴の実を食べたため。冥界の掟によって帰ることができない。

 

 ゼウスは一年の1/3はハーデースとともに、他は神々とともみ天上で暮らす。

 

 多くの女神や人間と交わって、多くの子供を得た。

一例 メーティス

 メーティスがはらむ。

 ガイア(大地)が女の子についでできる男の子が支配者になると予言。

 メーティスがはらむと、

 ガイア(大地)とウーラノス(天空)はメーティスが子をはらむと、彼女(メーティス)を飲み下した。

 だが誕生の時が来る??

 誕生の時が来た時、ポトメーテウス(または、ヘーパイストス)が、ゼウスの額を斧で打ち、そこから女神アテーナー(三人)が生まれた。

 

 

柘榴

伝播

 新王国時代にエジプトに伝わり、ギリシア時代にはヨーロッパに広く伝わったとされる。

 東方への伝来は、前漢の武帝の命を受けた張騫が西域から帰国した際に、パルティアからザクロ(安石榴あるいは塗林)を持ち帰ったとする記述が『証類本草』(1091年-1093年)以降の書物に見られる。

 紀元前2世紀の伝来であるとの説がある。

 今日では3世紀頃の伝来であると考えられている。

 日本には923年(延長元年)に中国から渡来した(9世紀の伝来説、朝鮮半島経由の伝来説もある)。

 

柘榴

 属名の Punica は「フェニキアの」を意味する Poeni に由来する。

 これは古代ローマの博物学者プリニウスが『博物誌』を著した当時、ザクロは「カルタゴのマルス」(mālus pūnica)としてカルタゴ周辺が原産地と考えていたためである。

 種小名の granatum は「種の」や「粒の」を意味する。

 英名の pomegranate(粒の多いリンゴ)は中世ラテン語の pōmum grānātum、pōma grānāta(種の多いリンゴ)に由来する。

 中国語名の「石榴」および「安石榴」は、パルティアの王朝アルサケス(アルシャク:Arshak)を張騫が「安石」や「安息」と音訳したもの。

 パルティアを意味する「安息国」に由来する。

 

 また、塗林と呼称した時代もあるが、これはサンスクリットでザクロを意味する darim、darima の音訳である。

「榴」は実が瘤に似ていることに由来するという。

 日本語の「ザクロ」は、石榴、柘榴の字音からと考えられる。

 呉音では「ジャク・ル」、漢音では「セキ・リュウ」となる。

『本草和名』では「安石榴、別名 塗林・若榴、和名 佐久呂」とされている。

 

 また、古代イランと中国の文化交流を研究したベルトルト・ラウファーは、若榴の中国語読みの「zak-lau」に由来するとの説を唱えている。

 

 また、有力な原産地のひとつと考えられるティグリス川およびペルシア湾の東方にそれに平行してザグロス山脈がある。

 ザクロの呼称は、ザクロス山脈を現地音に近い「石榴」の字で音訳したともいわれている(が、これは間違いだという学者も多い。)

 

 イランでは絨毯やモスクの文様に、しばしば柘榴が描かれている。

 よって柘榴には親しみを感じるので、ここでは柘榴について触れている。

 

 イランやロルコでは柘榴ジュースが普通にビンや紙パック(1リットル又は200cc)売られている。

 フェッセンジャーン(イラン料理)では柘榴エキスとくるみの練り潰した濃厚なスープで鶏肉をコトコト煮込んだ料理がある。

 これをヨーグルトで味付けしたご飯にかけると、甘く、鳥がほぐれて非常に美味。

 

 トルコのレストランでは、野菜サラダに、柘榴ソースがかかっていて美味かった。

 ボーイに尋ねると、息子に、

「君のお母さんは、グッドテイストだね」

と、微笑んでくれた^^

 

柘榴の神話

 エジプト神話では、戦場で敵を皆殺しにするセクメトに対し、太陽神ラーは7,000 の水差しにザクロの果汁で魔法の薬を作った。

 セクメトはこれを血と思い込んで飲み、酩酊して殺戮を止めたという。

 ギリシャ神話の女神ペルセポネーは、冥王ハーデースにつれ攫われ、6つのザクロを口にしたことで、6か月間を冥界で過すこととなり、母・デーメーテールはその期間嘆き悲しむことで冬となり、穀物が全く育たなかった。

 ペルセポネーが戻ると花が咲き、木々には実がついたという。

 このため、多産と豊穣の象徴とされている。

 ローマ神話ではプロセルピナといい、ザクロは復活の象徴となっている。

 

 キリスト教では『聖母子像』でイエスがザクロを持っている図像もあり、後のキリストの受難を表す。

 ユダヤ教では、虫がつかない唯一の果物として神殿の至聖所に持ち込むことを許された。

 釈迦が、子供を食う鬼神「可梨帝母」に柘榴の実を与え、人肉を食べないように約束させた。

 以後、可梨帝母は 鬼子母神として子育ての神になったといわれるが、日本で作られた俗説に過ぎない。

 柘榴が人肉の味に似ているという俗説も、この伝説より生まれた。

 

 

 

『ギリシア神話』 高津春繁著  岩波文庫 参考

 ウィキペディア 参考

 

 

 

 

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