写真は、『枕草子絵詞』日本絵巻大成10 中央公論社『葉月物語絵巻・枕草子絵詞・隆房卿艶詞絵巻』
『枕草子』 余1 日本古典文学大系 9(池田亀鑑・岸上慎二校注)と、新日本文学大系25(渡辺実校注)
私が『枕草子』に手をつけ始めたことを知った家族が
新日本文学大系は日本古典文学大系を踏まえて『枕草子』が研究され、いくつもの詳しい注釈本ができた上でそれらを踏まえて書かれているので、同時に読むと面白いよ。」
という。
誠、『源氏物語』でさえ、江戸時代に書かれたものと、日本古典文学大系と新日本文学大系では、少し、あるいはずいぶん歩いたなという違いが認められる。
よる夜中、新日本文学大系『枕草子』を探し日本古典文学大系と比較すると、違う。全く違う。
内容もさることながら、目録が違う。
例えば、昨日読んだ猫と犬の話、日本古典文学大系では「九段 うへにさぶろふ御猫は」出会ったが、新日本文学大系では「六段 うへにさぶろふ御ねこは」という具合に、段すらテレコになっている。
私が
「段すら違うのね。」
と、家族曰く
「そういうの、よくあるよ。」
と。
夜がしらみ、『枕草子』の内容云々で盛り上がる。
新日本文学大系『枕草子』の同時に『とはずがたり』『とりかへばや物語』もリビングに持ち行て、とりあえず一頁づつ読んで見たが、『とはずがたり』の方は大変美しい。
「綺麗な文の流れね。」
という言葉に、家族は、
「それは面白いよ。何しろ『とはずがたり』は日本の三大○○と言われてるよ。」
と笑う。
「そうなんだ〜」
と、乱鳥奈良酒を流し込む。
日本古典文学大系 9(新日本文学大系25では、これにあらず)
『枕草子』 1 一〜六
一 春はあけぼの
二 頃は
三 正月一日は
四 三月三日は
五 四月、祭りの頃は
六 おなじことなれど、きき耳ことなるもの
七 おもはん子を
八 大進生昌が家に
九 うへにさぶろふ御猫は、
十 正月一日 三月三日、
十一 よろこび奏するこそ
『枕草子』 1 一〜六(春はあけぼの、頃は、正月、三月、四月、きき耳ことなる)日本古典文学大系 池田亀鑑・岸上慎二校注 『枕草子』 2 七〜八(おもはん子を、大進生昌が家に)日本古典文学大系 池田亀鑑・岸上慎二校注 『枕草子』 3 九〜十一(うへにさぶろふ御猫は、正月一日 三月三日、よろこび奏するこそ)日本古典文学大系 池田亀鑑・岸上慎二校注『枕草子』 余1 日本古典文学大系 9(池田亀鑑・岸上慎二校注)と、新日本文学大系25(渡辺実校注) 『とはずがたり』『とりかへばや物語』