男のけふは方違へ(かたたがへ)に物へまかると言はせて侍り
ければ、つかはしける
479 君こそは一夜(ひとよ)めぐりの神と聞けなに逢うことのかた違ふらん
(金葉和歌集 巻第八 恋部下 P.136)
朝恋をよめる 藤原顕輔朝臣
480 梓弓(あずさゆみ)かへる朝(あした)の思ひには引きくらぶべきことのなきかな
(金葉和歌集 巻第八 恋部下 P.136)
藤原顕輔朝臣(ふじわらのあきすけ)
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生年: 寛治4 (1090)
没年: 久寿2.5.7 (1155.6.8)
平安時代後期の歌人。父は修理大夫顕季。母は藤原経平の娘。正三位左京大夫に至る。永久4(1116)年『六条宰相家歌合』,久安6(1150)年『久安百首』など,多数の歌合,歌会に出詠。藤原基俊の死後は,歌壇の指導者的存在となり,崇徳上皇の下命によって『詞花和歌集』を選進した。
百人一首に採られた
「秋風にたなびく雲の絶え間より洩れ出づる月の影のさやけさ」
のような,優れた叙景歌を詠む一方で,述懐歌にも秀歌を残す。家集に『左京大夫顕輔卿集』がある。井上宗雄『増補版平安後期歌人伝の研究』
『金葉和歌集』(14首)以下の勅撰和歌集に84首が入集しており、家集には『左京大夫顕輔卿集(顕輔集)』
勅撰和歌集(二十一代集)
八代集
古今 - 後撰 - 拾遺 - 後拾遺 - 金葉 - 詞花 - 千載 - 新古今
十三代集
新勅撰 - 続後撰 - 続古今 - 続拾遺 - 新後撰 - 玉葉 - 続千載 - 続後拾遺 - 風雅 - 新千載 - 新拾遺 - 新後拾遺 - 新続古今
(准勅撰)
新葉