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『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 9  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門

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『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 9  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門

 

早稲田大学デジタルライブラリー

9

にあげられて、つれて、あるじの後家まじり、かハりちんつの国なり。

やつしハ甚左衛門、幸左衛門が思案ごと、四郎、三が、うれい事。ちんつく/\。ちんちり

つてつて。日本一のめいじん様、やつちや/\と 心ある歌のり、ほぬさする。金ぞ

諸げいの上手成。そりや/\、来たぞと、三人が。手ぐすね引たり、顔色。小

ぎく 遠めに、はつ と おどろき申、くハしやさん。同じ道と気がつきる。始の舟

に乗たいとすそかい取て、立やすらふ。さきに与兵衛ほばしら立跡に、に王

のはりばん立、与兵衛せくな、女房とつめひらいて、男縦の。会津らうそく

 

が光たてしたら。こち ふたりが、しん切て、ふみけしてくれると。ざかりを

腰にうでまくり。客ハてんどう、くハしやも下女も、うろたへにきくをかこふ

てかぞ、ふるに小きく殿かつた。なじみの河与かるからハ、いごかせぬと。ちや屋の

せうぎに引すりすゑ。是 ばいた様、やす お山様、野崎の方がゝる いどなたの

御ことでも参らぬと。此河与とつれに成をきらひ。すいた衆と参れバ

方もかまハぬか。其わけ聞ふとりくつバる。目屋のきりん金神(こんじん)などや

うに河与様。かどがとれぬの。小きくといふ名が一ツ出れバ。与兵衛といふ名ハ

 

はつ と おどろき申、くハしやさん。

 はっ!と驚き申す。花車さん。

 

与兵衛ほばしら立跡に、に王のはりばん立

 与兵衛、帆柱立つ跡に、仁王の張り番立ち

 

会津らうそく

 会津絵ろうそくの歴史は五百年以上前、時の領主十一代芦名盛信公が漆樹の栽培を奨励したことからその歴史は始まりました。

 十八代盛隆公は織田信長公に千丁のろうそくと駿馬を献上し、大変喜ばれたと記録にもあります。

  また、藩はろうそくを専売品とし、貴重な財源として活用もしました。

 

是 ばいた様、やす お山様、

 是 売女様、安お山様

 

其わけ聞ふとりくつバる。

 その訳聞こうと、理屈ばる。

 

 

『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作

 近松門左衛門 1653-1724

 高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門, [出版年不明]

 22cm

 竹本筑後掾正本
 共同刊行:山本九兵衛(大坂高麗橋)
 題簽の一部を欠く 虫損あり
 和装
 印記:文楽蔵,渡邉蔵書
 渡辺霞亭旧蔵

 早稲田大学デジタルライブラリー ヘ07 04334

 

『女殺油地獄』 1 上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門  早稲田大学所蔵と東洋文庫所蔵は、同じ。 『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 2  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門 『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 3  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門 『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 4  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門 『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 5  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門 『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 6  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門 『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 7  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門 『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 8  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門 『女殺油地獄』上,中,下巻 / 近松門左衛門 作 9  高麗橋(大坂) : 正本屋山本九右衛門

 

 


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