恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』 70 三十一丁裏と、『伊勢物語』岩波古典文学大系9
富田高至 編者
和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年
下 70 三十一丁裏
三十一丁裏
◯をかし、男、伊勢より返てのほりけるに、大淀の
渡にて、伊勢のさい、うちのてつ地にいひかけける
乞目かけ うつやいついつこそ斎なげて
これにをしへに行てうたなぬ
『仁勢物語』和泉書院影印業刊
乞目かけ うつやいついつこそ斎なげて
これにをしへに行てうたなぬ
『伊勢物語』岩波古典文学大系9より写す
みるめかる 方やいづこぞさほさして
我に教えよ あまのつり舟
伊勢より返て
伊勢より帰りて
乞目(こいめ)
双六 (すごろく) などで、出てほしいと願う賽 (さい) の目。
「双六の盤をこしらへ、二六、五三 (ぐさん) と―をうつ内にも」〈浮・一代男・四〉