恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』 57 二十四丁表と、『伊勢物語』岩波古典文学大系9
富田高至 編者
和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年
下 57 二十四丁表
◯をかし男、糠(ヌカ)味噌を思ひけり、壺ある人の許に
こね詫ぬ あのぬか味噌を入るてふ
しほからつほも 砕(クタキ)つるかな
『仁勢物語』和泉書院影印業刊
こね詫ぬ あのぬか味噌を入るてふ
しほからつほも 砕(クタキ)つるかな
『伊勢物語』岩波古典文学大系9より写す
恋(こ)ひわびぬ 海女の刈る藻にやどるてふ
我から身をも くだきつる哉
こね詫ぬ
(味噌を)捏(こ)ね、詫びる。
入るてふ
入る(いるるちょう)
しほからつほも
塩辛壺も
砕(クタキ)つるかな
砕きつるかな